㊥カメラ担当係 "S" です。本日もご覧いただきありがとうございます。
今日ご紹介するレンズは、ドイツ製のライカLマウント、
Steinheil Munchen Orthostigmat 35mm F4.5 for Leica L
シュタインハイル ミュンヘン オルトスティグマット 35mm F4.5 ライカL用 です。
ドイツシュタインハイル社のライカLマウント用レンズです。
結構珍しいレンズだと思います。
距離計に連動します。
作りは非常に重厚で、手に「ずしっと」くる重たさです。
外装のメッキはそう悪いものではなく、純正「ライカ」には及びませんが、そこそこかなりの品質といえると思います。
レンズ名 | Steinheil Munchen Orthostigmat VL 35mm F4.5 |
絞り値 | 4.5から16 |
焦点距離 | 35mm |
最短撮影距離 | 1m |
このレンズには、こんな刻印があります。
「Made in Germany US Zone」と刻印されています。
いかにも、ドイツ東西分裂の始まりを感じさせる言葉です。
歴史的意味合いは、連合国4ヶ国軍(アメリカ、イギリス、フランス、ソ連)に分割占領されていたことを示す刻印です。ナチスドイツが第二次世界大戦で敗れると、ドイツは連合国4ヶ国軍に占領され、連合国軍は管理目的のために1945年から4年間ドイツを4つに分割占領して軍政を布いていました。つまり、このレンズを生産した会社がアメリカ占領地域にあったということです。
他には、「Made in US-Zone Germany」と刻印されているものや、 他地域では「Made in Brit.-Zone Germany」 と刻印されていたようです。また、ブリキのおもちゃや、人形、陶磁器にも同じような刻印がされているようです。
でも、何か響きが違う?
同じ敗戦国の日本は、どうだったか? 「Made in occupied Japan」 ですよね。
CANONやNIKON、KONICAなどのメーカーのカメラやレンズで時々見かける刻印です。
敗戦の結果によるものなのですが、いやな響きです。
ドイツも日本も基本的には敗戦国という立場に大差はないのですが、占領軍による統治方法の違いがこの言葉に現れています。しかし、そうとわかっていても、「占領」という部分が際立つ「Made in occupied Japan」を刻印しなければならなかった当時の日本国民の辛さを思うと心が痛みます。歴史的には、サンフランシスコ講和条約が発効した1952年4月28日まで続いたそうですが、「Made in Japan」の製品を再度作れた慶びは、いかほどであったかと思います。
ただ、もし日本がドイツと同じように分割統治され、それこそ「Made in Japan US-Zone」や「Made in Japan U.S.S.R-Zone」なんてことになっていたら、東西冷戦構造に巻き込まれ今の日本の発展はなかったかもしれないと思うとゾッします。そういう意味では、民族が分断されず、復興を成し遂げることができたその後の時代を思うと、「Made in occupied Japan」の一時期も悪いものではなかった一面もあると言えるのではないでしょうか。
たかが刻印の話しなのですが、歴史的には非常に重要な意味合いをもつ言葉です。
「たかがカメラ、されどカメラ」
写真という表現手法で歴史を残し後世に伝えてきたカメラ、実はカメラそのものも時代を表す資産なのかもしれません。上の写真の刻印、もう一度よーくご覧下さい。
では、詳しく各部のご紹介。
前玉は、F値が4.5ということでかなり小さいものです。シュタインハイル・ミュンヘンという刻印が見えます。ミュンヘンはアメリカの管理下にあった街のようです。
後部からの写真です。メッキ無しの、真鍮部分が距離計連動部です。ほんとしっかりとしたマウント基部です。
特徴的なフォーカスノブ。一瞬、絞りレバーかな思いましたが、2個ともフォーカス用です。
両方のノブの間隔はかわりません。ピントリングに固定されています。
銘版に刻印されている「VL」という文字。残念ながら、その意味合いは?です。
絞りリングは、一番先端のギザギザのあるリング。半絞りのクリックはありません。
動きは、ややぎこちない大雑把な感触です。
展附属品はレンズ前キャップとリアキャップです。リアキャップは明らかに代用品ですが、前キャップは素性?です。ノーネームの銀色キャップです。
展示店はディアモール店です。
お値段は、(税抜)65,000円 (税込)68,250円となっております。
お問い合わせは、電話06-6348-4632、またはメールにてお願いします。
「Made in Germany US Zone」と刻印されています。
いかにも、ドイツ東西分裂の始まりを感じさせる言葉です。
歴史的意味合いは、連合国4ヶ国軍(アメリカ、イギリス、フランス、ソ連)に分割占領されていたことを示す刻印です。ナチスドイツが第二次世界大戦で敗れると、ドイツは連合国4ヶ国軍に占領され、連合国軍は管理目的のために1945年から4年間ドイツを4つに分割占領して軍政を布いていました。つまり、このレンズを生産した会社がアメリカ占領地域にあったということです。
他には、「Made in US-Zone Germany」と刻印されているものや、 他地域では「Made in Brit.-Zone Germany」 と刻印されていたようです。また、ブリキのおもちゃや、人形、陶磁器にも同じような刻印がされているようです。
でも、何か響きが違う?
同じ敗戦国の日本は、どうだったか? 「Made in occupied Japan」 ですよね。
CANONやNIKON、KONICAなどのメーカーのカメラやレンズで時々見かける刻印です。
敗戦の結果によるものなのですが、いやな響きです。
ドイツも日本も基本的には敗戦国という立場に大差はないのですが、占領軍による統治方法の違いがこの言葉に現れています。しかし、そうとわかっていても、「占領」という部分が際立つ「Made in occupied Japan」を刻印しなければならなかった当時の日本国民の辛さを思うと心が痛みます。歴史的には、サンフランシスコ講和条約が発効した1952年4月28日まで続いたそうですが、「Made in Japan」の製品を再度作れた慶びは、いかほどであったかと思います。
ただ、もし日本がドイツと同じように分割統治され、それこそ「Made in Japan US-Zone」や「Made in Japan U.S.S.R-Zone」なんてことになっていたら、東西冷戦構造に巻き込まれ今の日本の発展はなかったかもしれないと思うとゾッします。そういう意味では、民族が分断されず、復興を成し遂げることができたその後の時代を思うと、「Made in occupied Japan」の一時期も悪いものではなかった一面もあると言えるのではないでしょうか。
たかが刻印の話しなのですが、歴史的には非常に重要な意味合いをもつ言葉です。
「たかがカメラ、されどカメラ」
写真という表現手法で歴史を残し後世に伝えてきたカメラ、実はカメラそのものも時代を表す資産なのかもしれません。上の写真の刻印、もう一度よーくご覧下さい。
では、詳しく各部のご紹介。
前玉は、F値が4.5ということでかなり小さいものです。シュタインハイル・ミュンヘンという刻印が見えます。ミュンヘンはアメリカの管理下にあった街のようです。
後部からの写真です。メッキ無しの、真鍮部分が距離計連動部です。ほんとしっかりとしたマウント基部です。
特徴的なフォーカスノブ。一瞬、絞りレバーかな思いましたが、2個ともフォーカス用です。
両方のノブの間隔はかわりません。ピントリングに固定されています。
銘版に刻印されている「VL」という文字。残念ながら、その意味合いは?です。
絞りリングは、一番先端のギザギザのあるリング。半絞りのクリックはありません。
動きは、ややぎこちない大雑把な感触です。
展附属品はレンズ前キャップとリアキャップです。リアキャップは明らかに代用品ですが、前キャップは素性?です。ノーネームの銀色キャップです。
展示店はディアモール店です。
お値段は、(税抜)65,000円 (税込)68,250円となっております。
お問い合わせは、電話06-6348-4632、またはメールにてお願いします。
+++中古カメラ担当係+++
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