カメラの八百富|MAMIYA SEKOR SUPER 180mm F4.5 マミヤ セコール スーパー

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㊥カメラ担当係 "S" です。本日もご覧いただきありがとうございます。

マミヤ MAMIYA セコール SEKOR スーパー SUPER 180mm F4.5 が入荷しました。

このブログでマミヤを取り上げるのはこれがはじめてではないでしょうか。
マミヤという会社、紆余曲折がありましたが、現在もカメラ業界で頑張る光学メーカーです。

マミヤシックス・二眼レフ、35ミリ判のレンズ交換式一眼レフ、レンズシャッター式コンパクトカメラなどなど、数知れど多くの分野、そうなんです、大きくの機種を作った会社はあるのですが、これほど多くの分野、カテゴリーからカメラを生産したメーカーはマミヤを以外には無かったのではないでしょうか。

私にとって最も印象に残るマミヤカメラは、1981年に発売されたマミヤUというコンパクトカメラ。
カプセル型のプラスチック製の35ミリ判コンパクトカメラなんですが、同じ時期の一眼レフZEシリーズ含め、マミヤという会社がなんとか「普通の写真機メーカー」になりたかった、いや何があってもなろうという「会社の思い」を表すカメラとして非常に印象深い機種です。

是非、入荷しましたらご紹介したいと思います。
ただ、シャッターボタン部のカバーにゴムを使用したため、全数そのゴムが劣化・溶解し、当時の姿をそのまま残している機種はほぼないことが残念です。
が、それでも入荷しましたらアップします。

では、今日の本題に。
このレンズ、ご存知のようにマミヤCシリーズ用の交換レンズです。

sekor-180mm4.5-001.jpg当然なんですが、二眼レフ用ですからレンズは2つ。
上側はビュー用、下側は撮影用となりますが、実は上下とも同じスペックのレンズが付いてます。
例えば、ミノルタの二眼レフなら、上側のレンズは「VIEW ROKKOR」、下側は「ROKKOR」、ローライの二眼レフでも上下違う仕様のレンズを装着している場合が多いです。

理由は、コスト削減。
見るレンズと写すレンズのスペックは当然異なるわけで、過剰な性能のレンズをビュー側に付けても宝の持ち腐れとなりますから、大概の場合、ビューレンズは安物(?)を付けちゃいます。
これは別に悪い話ではなく、当たり前の選択なんですが、このマミヤは手を抜きませんでした。
上下同じ仕様のレンズが装着されています。

たぶんなんですが、開発当初の目的が「プロ:職業写真家」向けとなっていたことが大きく影響しているのではないでしょうか。当時は、まだまだ日本製のカメラは「for professional」としては低位、海外カメラに対抗するための「武器」ではなかったかと思います。

MAMIYA-SEKOR SUPER 180mm F4.5 諸元

レンズ構成 : 4群5枚
画角 : 24度30分
最短撮影距離 : 1.29m (撮影可能範囲=27.5cmX27.5cm)
フィルター径 : 49mm
フード取り付け径 : 50mm (かぶせ式)
シャッター : セイコーMX

うーん?ここで、数字を見られて「誤植?」と思われた方、「中古カメラご一行様」です。
そうなんです、普通はフィルター径「49mm」なら、かぶせ式は「51mm」。
だいたい、プラス2mmが相場です。
小口径になると、1.5mmというのもありますが、基本的に枠の肉厚の関係で2mmというところです。
ところが、このレンズは「50mm」なんです。

理由はおそらく少しでも前玉の開口径を確保したかったためでしょう。
2本の鏡筒をぎりぎりまで近づけた結果(明るさ確保)、レンズ自体の枠の肉厚も薄くなりました。
従って、マミヤC用の専用49mmフィルターでないと上下のレンズに装着できません。
一部の肉厚のある他社タイプでは物理的に干渉して取り付けできない場合もあります。

時々、レンズの先端についている金属の銀枠について質問を受けますが、上記のような理由でレンズ鏡筒自体の肉厚を薄くしたため、フィルター枠部の強度を補強するための保護リングとなんです。ご参考までに。

sekor-180mm4.5-010.jpg
レンズ構成図と被写界深度表

sekor-180mm4.5-003.jpgレンズ構成図は下側です。

この180mmレンズ、その最初は「18cm F4.5」としてスタートしました。
ただ、初期のころのレンズはほぼ「全数」曇って使い物にならない状態のものが多いです。
また、セルフコッキングレバーが最初の分は無かった(巻上とシャッターチャージが連動しない)ので、使用に当たっては注意が必要でした。ただ、サービスセンターでコッキングレバーの取り付け改造を行っていたようです。

sekor-180mm4.5-005.jpg

バリエーションとしては、
 ① SEKOR 180mm F4.5 シャッター銀色 (改造でセルフコッキング付き有)
 ② SEKOR 180mm F4.5 シャッター黒色
 ③ SEKOR SUPER 180mm F4.5
 ④ SEKOR SUPER 180mm F4.5 新コーティング

の4つに分類されます。
※ このうち、新コーティングについては後ほど追加でお話します。



ちょっと、当時のカタログから画角の比較写真を作ってみました。各レンズのご購入検討時にお使い下さい。sekor-180mm4.5-002.jpg 一般的にマミヤのレンズは、比較的素直なレンズ、カラーバランスがニュートラルと評価される場合が多いようです。さきほどお話しましたように「職業写真家:プロ、スタジオ写真家」向けとの思いがありましたから、ニュートラルカラーを特に意識した結果だと思います。

あと、逆光性能はやや落ちると言われる方が多いので、是非フードのご使用をおすすめします。

そこで、本日の本題です。
珍しく、新旧のコーティングのレンズが揃いましたので、比較写真をご紹介します。
何せ、このマミヤC用レンズ、発売は昭和32年(1957年)にC型が発売されて以来、平成6年(1994年)に至るまでの約40年間生産され続けた歴史あるシリーズです。

当然、その間技術も進歩し、本体はC.C2.PF.C3.C33.C22.C220.C330.C330f.C220f.C330Sと進化し、レンズもいくつかのバリエーションがあります。その中で、一番の違いがこのコーティングの変化ではないでしょうか。先ほどお話したとおり逆光性能にやや難がありましたから、その対応がこのコーティングの変化に現れていると思います。(実写比較まで行っておらず確定的にいえませんので)

シャッターレバーのつまみの青点の有無で分類される場合もありますが、レンズ現物でご確認されるのが一番かと思います。下の写真では少ししか差がありませんが、現物をご覧になられたら一目瞭然です。

①旧コーティング : 上からのぞくと、下まで黄色。とにかく、黄色しかありません。
②新コーティング : 紫色が強いです。あきらかに、マルチコーティングと感じる仕上げです。

sekor-180mm4.5-004.jpg写真では少し異なるのがわかるでしょ。また、SUPER180mmでは、セットレバーは青点ではありません。中にはあるのかもしれませんが、私の記憶では「あったかなー?」という感じです。

製造番号帯で見ますと、マミヤは通し番号となっているようで、当社内の記録では 1●●●●● から 84●●●● まで確認されています。(SUPERタイプで)
7●●●●●の後半で新コーティングのものがありましたから、その辺りが仕様変更の時期かなと思います。判別時のご参考にして下さい。

では、個別の商品ご紹介です。

1点目が旧コーティングの前期型です。

sekor-180mm4.5-006.jpg附属品は、上下の純正キャップとなります。

sekor-180mm4.5-007.jpg2点目は、新コーティングのレンズです。

sekor-180mm4.5-008.jpg附属品、同じように純正の上下キャップです。

sekor-180mm4.5-009.jpgという感じです。
ほんと残念なのが、もう少し写真で差を感じていただけたらと思ったのですが、あまり差がでなく残念です。是非、一度店頭で見比べて下さい。きっと、「へー」っと感じていただけるものと思います。

まあ、所詮コーティングの違いなんですが、されどコーティングの違いです。
こういうところの微妙な差を楽しんでいただくのも「中古カメラ」の一つの楽しみ方です

本体側のwebサイトにはアップ済みですので、ご購入いただける状態になっております。
ご覧になられお客様は、 こちら からどうぞ。

展示店は大阪駅中央店です。
お値段は、
旧コーティング (税抜)38,000円 (税込)39,900円
新コーティング (税抜)48,000円 (税込)50,400円
です。

店舗へのお問い合わせは、電話06-6341-7005またはメールにてお願いします。

+++中古カメラ担当係+++

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このページは、㊥カメラ 担当係が2010年2月17日 05:23に書いたブログ記事です。

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