Panasonic デジタルビデオカメラ

HC-X2 / X20 プロフェッショナル カムコーダー に迫ってみる !!!

 

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Panasonic LUMIX S 18mm F1.8 の開発者インタビューと同じ日

Panasonic デジタルビデオカメラ HC-X2 / X20 プロフェッショナルカムコーダー の開発者の方々にもお会いできる機会に恵まれて

プロカムコーダーの動向や市況、また開発の思いをお聞きすることができたので

レンズと同じようにインタビューを交えながら、新製品 Panasonic デジタルビデオカメラ HC-X2 / X20 プロカムコーダー をご紹介させて頂きます

 

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パナソニック Panasonic HC-X2-K

https://www.yaotomi.co.jp/products/detail/41266

 

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パナソニック Panasonic HC-X20-K

https://www.yaotomi.co.jp/products/detail/41267

 

 

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今回、お話しをお聞きできたのは、パナソニックエンターテインメント&コミュニケーション株式会社イメージングビジネスユニッの

 

◆ 商品設計部 高山幸治主任技師(画質)

◆ 商品設計部 山田将寛(画質)

◆ ソフト設計部 酒井武則主任技師(ソフト)

◆ 商品設計部 瀬戸慎哉主任技師(機種L)

◆ 商品企画部 栗飯原雅之主務(商品企画)

 

の5名もの皆様。お忙しい中、まことにありがとうございました。

 

そもそも、弊社八百富写真機店は『写真』を軸に、静止画に関わる製品を扱ってきた写真専門店

ただ、はるか昔の銀塩フィルムで撮影する『8mmフィルム』の撮影機や映写機の時代は動画機材とのかかわりは深く

関西の各大学の映画研究会の皆様に機材や現像サービスを提供させて頂いておりました

 

なので、私(ヤオッター)も8mmの撮影から編集、そして映写に関する知識はまだ残っていて

流石に最近は中古品として取り扱う機会は激減してますが

FUJICA ZC1000 とか CANON 1014XL-S、ELMO GS1200 XENON の名前を聞きますと心が躍ります (^^)

 

そんなフィルム動画の時代が終わった以降は、動画と弊社の関係は薄まっていましたが

ここ最近、スマートフォンの動画機能が充実、一般化する中で、再びお客様から Panasonic さんの民生ビデオ機

 

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パナソニック Panasonic HC-VX2MS-K

https://www.yaotomi.co.jp/products/detail/4122

 

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パナソニック Panasonic HC-VX992

https://www.yaotomi.co.jp/products/detail/40578

 

のお問い合わせが増え出したことをうけて、取り扱いを再開

 

さらに、レンズ交換式デジタル一眼カメラに本格的な動画機能が搭載され出し、今まで動画にさほど興味を持たれなかった方々を触発!

中には、動画専用機に興味を示される方々もご来店、そして弊社も触発される!

そんな経緯で

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パナソニック Panasonic HC-X1500-K

https://www.yaotomi.co.jp/products/detail/40575

 

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パナソニック Panasonic HC-X2000-K

https://www.yaotomi.co.jp/products/detail/40573

 

 

などのハイエンド民生機の取り扱いも始めています

 

そんな流れで、弊社と動画機とのかかわりが深まる中

従来は業務用(=AG品番)で取り扱うことができなかった「プロカムコーダー』が民生機(=HC品番)として新発売されるとのこと

なら、まずは作り手(開発者)の皆さまにお会いしたい!新製品のお話しをうかがってみたい!

そんなわがままを Panasonic の営業の方々がくんで下さり、今回のインタビューが実現した次第です

 

Point 1 まずはカムコーダーの現在の立ち位置を聞いてみた


 

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写真専門店にとって静止画とは写真の中の一つの姿で、写真と言えば静止画、静止画と言えば写真でしたが

昨今のスマートフォンの動画機能の進化、またデジタルカメラの動画機能の進化で

映像の中に静止画=写真がありまた動画もある

その動画の中にプロ機で撮影される動画もあれば、ミラーレス、あるいはスマフォもあると受け止めていく時代が到来した

そこが弊社の動画への取り組みのきっかけでした

そこでまずレンズ一体型のカムコーダーの現在の市場動向からお聞きさせて下さい

 

※ カムコーダは撮影部(カメラ)と記録部(ビデオデッキ)が一体化したもの。現在ではほぼ「ビデオカメラ」をさす言葉です。

 

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カムコーダーの特長は

① どんな状況でも長時間撮影できる
② 状況変化にとっさに対応できる
③ 三連リング(フォーカス・ズーム・アイリス)の操作系がカメラマンの方にとって非常に使いやすい
④ 操作ボタンがメニューではなく横面にダイレクトボタンとして配置され使いやすい
⑤ あらゆる撮影スタイル(カメラの持ち方や構え方)に対応できる

まず、この5つが大きな特長です
その特長をもう少し掘り下げてみましょう
バッテリーの優位性

バッテリーも一眼レンズ交換式と比較すると、容量の大きなバッテリーをのせられます
イベントでの撮影やニュースのロケなど電源の管理は頭を悩ます部分ですが、そんな場面でも大容量のバッテリーが用意されているので安心
マイクの多様性

音声の収録では、XLRマイクという大きいマイクが直接本体に付けられる
状況変化への即応性

状況の変化にすばやく対応できるというところでは、NDフィルターが搭載があげられます
室内から急に明るいところに出た時、例えばウエディング等でそういった場面がたくさんでてきますが、その間も撮影しながらNDフィルター調整ができます。
一眼でなら別に取り付けなければならない、もしくは替える手間が省ける.....
というところで即応性は抜群です
直感的な操作性

ハンドル3連リング、直感的に操作ができるのが特徴となります。
レンズ一体型の強み

広角から超望遠のズームレンズの一体型なので、レンズの倍率、画角を直ぐに変えることができます。
イベント撮影の場合、想定される撮影場所から被写体はこれくらいと想定し、このレンズを持っていけばよいといったシミュレーションをレンズ交換式一眼ではされると思います
ですが、いざ撮影現場に行ってみたら、元々の想定とは異なり所持したレンズだけでは事足りない.....そんなこともありえます

そこはレンズ一体型のカムコーダー
高倍率ズームなので、いざという時の調整が容易で、潰しが効いて安心です。
カムコーダーはなくならない

動画の一部が一眼へ移行している流れがある中であっても、カムコーダーは上記のような用途や優位性があるので絶対になくならないと考えています

 

 

 

Point 2 『ミラーレス動画 vs カムコーダー vs スマフォ』ではなく『ミラーレス動画 or カムコーダー or スマフォ』なのか?


 

VIDEO-006.jpg近年のデジカメやビデオのニュースをみてますと

総需要の減少だけがセンセーショナルに語られたり

あるいは機器を競争やライバル、つまり何かが何かを駆逐する栄枯盛衰でもって業界全体が語られることが多くて残念

と私は感じていますが

 

今のご説明をお聞きした内容を私になり解釈しますと

 

動画を撮影する機器の関係は

『ミラーレス動画 vs カムコーダー vs スマフォ』ではなく

『ミラーレス動画 or カムコーダー or スマフォ』と感じるところです

 

各々の特長、あるいはメリットやデメリットを使われる人が判断して

最適な選択を選ぶことが大切

カムコーダを選択するメリットをもう少しお願いします

 

 

先ほど申し上げた通り、番組制作のロケ、ニュースなど記録することが重要な場面においては、レンズ一体型のカムコーダーが必要であり、今後も無くなることはないと考えています。
ロケなどで外で刻一刻と明るさなどの状況が変わる中で、被写体を追いかけながら機動性を重視して長時間撮影ができるのがカムコーダー
ミラーレス系一眼の動画や、スマートフォンでは置き換わらない領域と考えています。
それに対してミラーレス動画は長時間撮影には現状ではまだ不向きです

バッテリーがある程度小さくなってしまう
ハンドグリップがあるにしても、ずっと同じ態勢で持ち続けるには難しいのではないでしょうか

また、咄嗟の判断を要する即時の撮影というところにおいても
ミラーレス動画機では、設定や操作はある程度外側にダイレクトボタンが出ていますが、カムコーダーに比べると少ないですね
したい操作によっては、メニューを掘っていかないと直ぐにできないという場合もあります
あと、レンズの交換が必要なのか、不要なのかという違いもあります
そもそも、HC-X2 / X20 に搭載されている 35mm換算で換算24.5mm-490mmのレンズと同等なレンズは、交換レンズとしてはラインナップされていません
幅広い画角に瞬時に対応できる一体型レンズはやはりメリットのひとつです
しかし、動画のミラーレスはセンサーサイズが大きく、ボケ感や美しさなど特徴的な映像を撮るという意味ではとても活況になっています
こちらはこちらで伸びると思っていますが
映画のような映像表現が重視されない場面ではカムコーダーがずっと残っていくのではないかと思っています
 
メリットとしての大きなボケは逆に被写界深度が浅いわけで、ある一つのところにピントが合うとそれ以外がボケてしまうことになります
例えば、それがイベントなら他の演者が映らないということになってしまい、浅い被写界深度が必ずしも必要でないという場面もあります
程よい被写界深度ということで、HC-X2、HC-X20は1インチのセンサーを使っています。
今回、ラインナップとしてHC-X2、HC-X20を発表しました
センサーサイズのもう少し小さいX2000、X1500も用意しています
さらにその下のクラスでは、運動会でパパママが手に持って使って頂くようなカムコーダーも用意しています。
 
上位モデルの違いは  
インタビュワーが別にいてカメラマンがカメラを構える、あるいは一人で全て行うなどの使い方の違いで、1インチのカムコーダーともう少し小さなカムコーダーの違いがラインナップ展開されている形になります

以上がカムコーダーと一眼の違いを含めた特徴になります。

 

やはり、商品を作られた方々から直接お話しをお伺いすると、すごく理解しやすくて腑に落ちますね


組織の事をお聞きすると

放送用のプロ機材を担当されている部門とはすでに10年前に統合

部署としては異なるそうですが、同じ部門(同じ建屋内)内でお仕事されているそうです

 

それでは、スペックを深堀していきましょう

 

 

 

Point 3 搭載されたセンサーは有効画素数 1,503万画素の1.0型MOSセンサー



搭載されているセンサーは、いわゆる1インチセンサー

静止画からするとかなり小さなセンサーとなるわけですが、そのあたりの大きさや性能についてお聞かせ下さい

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確かに、静止画からみれば小さいセンサーとなるのでしょうが、動画からみれば大きなセンサーです
カムコーダータイプの主流になりつつあります
私は小さい方の民生用カムコーダーをやらせていただいていましたが、その立場からすれば1インチは良いな.....と。
特に低照度でのノイズ感が全く違っています。
センサーが小さいと、暗いところのノイズをいかに消すかというところで苦労するところが、1インチセンサーだと苦労はいらないということで非常にありがたいサイスでした
ただ、スチルカメラのマイクロフォーサーズだったりフルサイズだったりすると、さらに性能がよくなるので、そういうところを一度知ってしまうと、1インチでは画質的には物足りないかなというところはあります。
とは言え、それは画質という一側面だけをみた話
ビデオカメラはセンサーだけではなく、レンズなども含めたトータルでスペックのバランスが必要です
ご覧の通り、1インチで20倍のレンズを作ろうとすると、本体はこれくらいの大きさとなります
つまり、センサーサイズを上げれば画質は良くなるが、本体やレンズが大型化するので
撮りまわしがしやすい大きさを考えた時に、1インチはこのラインではベストの選択となるが私たちの判断となります
用途にもよりますが、大きさやバランス感を踏まえ、簡単・キレイに撮るのであれば1.0型センサーがベストだと考えています

 

まさに、なるほどですね

大きなセンサーになればなるほどレンズも大きくなるは、今のフルサイズセンサーのシステムが持つ相反部分

山にカメラを持ち込むとなれば、機材選択はセンサーサイズではなく求めるモノからの逆算です

トータルでのバランスとか、最適化はとても重要なことだと思います

さらに、話しは続きます

 

センサー大きくなりすぎるとボケも大きくなってしまう、つまり被写界深度が浅くなりすぎるので、簡単に撮れてキレイとなると1インチ(1.0型MOSセンサー)がベストでしょうか
大きさがこれなら撮りまわしがし易く、かつフォーカスも全部合って見えるなど、トータルバランスが良いのが1インチとよく言われています。

 

そして、暗部のノイズ処理は1インチセンサーはかなり軽減されます
夜景などを撮るときゲインを上げないとそれなりの明るさで撮れないのですよね
そういったゲインを上げるときにノイズがどれだけ出るかというところが、今までの民生用に比べると1インチセンサーは非常に優れているということです。
無理なノイズリダクションをして無理やりにノイズをつぶすということをしなくても、きれいな映像が撮れるので設計としては有難いセンサーです

 

このように1インチセンサーは素晴らしいのですが

その1インチセンサーの良さや凄さを、静止画由来の私でももう少し実感できる、共有できる『事例か物差し』みたいなものはないでしょうか

 

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コンパクトカメラで言えばTZからFZ、2.5分の1インチから1インチへの変化した時のことを思い出してください
あの時に感じられた、画質が全然すごく進化した、暗いところがキレイになった!
その時の驚きと同じでしょうか 


なるほど!それはわかりやすですね!

「もう全くオッケーです」笑

そして、そのセンサーの位置はどのあたりでしょうか?

 

SDカードの入口の手前にセンサーがあります。

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その前側がレンズユニット、そして後部側全部がバッテリー室となります

 

思っていた以上に、レンズが奥深く本体に組み込まれているのですね(=ここはこのあとの頁で補足)

基本的な質問ですが、このクラスのビデオカメラとしては標準的な大きさでしょうか
 

標準的です
他社のモデルも、同じような大きさ重さでしょうか
これ以上重くなると撮りまわしに支障が出てくるので、これ位のところがベストの大きさ重さのバランスではないかなと考えています。


 

 

Point 4 24.5mmから490mmまでカバーするズームレンズ



今のお話しの中で、センサーとレンズの位置関係が出てきました

次に、レンズのことをお聞かせ下さい

 

35mm換算で広角 24.5mm ~望遠 490mm までカバーするズームレンズが搭載されています

個人的には、28mmじゃなくて24mmなんだと思うところで

その焦点距離の幅は、実際のニーズのなかでの最適解だとは思いますが

広角が24mmでもまだ不十分?あるいは同時に望遠側はまだ足りない?など、一体型レンズにありがちな、もう少し広角、もう少し望遠要望に対するお考えはどうでしょうか?

 

広げたいというニーズもあるにはありますが、そこはレンズの大きさと重量にかかわってきます。

バランスとしてはここが一番良いかなというところと

レンズの性能と重量と大きさのバランスを狙ったのがこの規格です
一昔前の他社製品では、だとだいたい30mmくらいの広角なので、ちょっと広く撮りたいというときにワイドコンバーターが必要

でも、この機種なら24.5mmなのでワイドコンバーターなくてもいけます

そもそもが広角の仕様。

それでもまだ広角が必要なら、このレンズ径に対応していれば市場にあるワイドコンバーターもお使いいただけます

 

レンズに明るさや性能、あるいはズーム比を高く求めることは、大きさや重量とのトレードオフの関係ということですね

まさに、バランスを考慮したうえでの最適なズームレンズが搭載されています ですね

 

 

 

Point 5 そこで重要となるのが、本体の重量バランス=持ち心地良さです


 

VIDEO-003.jpg(Panasonic)

『実際に持ってみましょう』

 

写真のように、中指だけで軽々とカメラを保持されています

このビデオカメラの総重量は約2,490gなので、静止画で言えばサンニッパ程度

驚きです

折角なので、私も持たせてもらうと持ち心地が最高

重心バランスがとれているので、簡単にカメラが水平で保持されます

 

(Panasonic)

「自画自賛ですが (^^);; ほんと重量バランスが素晴らしいと思ってます」

 

自画自賛!

全然オッケーです~軽々と保持できますね。重さを感じません

 

(Panasonic)

『レンズが一番重たいパーツので、基本的に前重になりやすいのですが、そこをカメラマンさんは一番嫌がられます』

『そこで、レンズ屋さんには設計段階から参画してもらって、重心バランスのとれた構造設計となるようにしました」

 

 

 

 

Point 6 そのビデオカメラのレンズ屋さんとは?


 

ということは、このビデオカメラのレンズ設計部隊はLUMIX レンズを設計されている方々と同じですか?

 

はい。そうです。



ちょうど、直前にお話ししていたのがその、LUMIXのレンズを設計されている方々だったわけで

その時の雑談の中で、ヤオッターから

「レンズ断面図って、やはり美しいですか?」

と定番の質問をさせて頂くと

「よく写るレンズの断面図は美しいです」と、これまた定番のお答え (^^);;

 

一般の方にはまるでご理解いただけない写真業界の伝統と申しましょうか

レンズの断面図でお酒が飲める

パナソニックさんにもしっかりと在席しておられます (^^);; ……実際にお酒を飲んだわけではないですが(すいません)

 

 

 

Point 7 もう少し持ち心地の話してたら「グリップの形状」の話しがでてきた



私たちの静止画のカメラでも持ち心地は大変重要です

ただ、様々なレンズが装着されますので、重量バランスというよりはカメラを保持するという意味で「グリップ」の形状が重視されます

持ちやすさ、あるいは保持の力、そして疲れにくさなど、多くの機種でグリップの形状に工夫がなされています

そんな点も踏まえながら、もう少し重量バランスやグリップについてお話しをお聞かせください

 

ハンドヘルド機なので、当然持った時の重量バランスがかなり大事になっています。
この重量バランスがずれていると、長時間の撮影時にカメラマンがかなり疲れることとなります
このカメラの場合、バッテリー装着した状態で上部ハンドルを持ってカメラを保持した場合、ハンドルにかかる中指に重心ポイントが来るように設計されています
水平を保たなければならない時、ずれた水平を保とうと直すときに、かなりの力が入ります
それが疲れの原因となります

長時間の撮影や移動の持ち運び時にプラスになると思います

 

インタビューの席には、実際に「重量バランスのとれたカメラ=今回の新製品」と「そうでないカメラ=書けない (^^);; 」が置いてあり

その両機の重量はほぼ同じなのですが、実際に持ってみると、まるで重たさ感が違います

 

先ほど申し上げた通り、一番重たいパーツがレンズですので、前重になると自分でレンズを持ち上げながらカメラを保持しないといけない
そこに力を使うと、より重たく感じるものなのです
実際の重たさ以上に、重たいレンズが装着されているような感覚となります

 

このあたりは、実際に自身で持って、また構えてみないと感じ取れない部分ですが、そこはご安心下さい!

間違いないく重量バランスがとられたカメラに仕上がってます

 

また、グリップを持って撮影するという使い方もありますので
ここも重心バランスをとれる位置に配しながら、グリップの形状もかなりこだわって作っています。
実際に触られたお客様からも、「軽く感じるね」とのお声を頂戴しているところで、うれしい限りです (^^)

 

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ヤオッタも実際に持たせてもらうと、上部ハンドルの時と同じように持ち重みはなく、自在にハンドリングができます

動画でもアイレベル撮影と言うのでしょうか、アイレベルでしばらく構えていても全く負荷を感じず軽快

ここでも、「プロカムコーダーって撮影現場に寄り添った商品」だと感じるところです

 

 

 

Point 8 記録スロットがSDのみ。その理由をたずねてみると『これで十分です』 その意味するところは?


 

記録媒体の仕様を確認すると、SDXCのSDカードの仕様

レンズ交換式の LUMIX では、CFエクスプレスが搭載されている中でのこの仕様

その理由をだずねてみると『これで十分』詳しくお聞きしてみた

 

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まず、このクラスはスロットが2つ必要であり、バックアップとして同じものを同じカードに記録したいという用途があります
片方だけCFエクスプレスにするというのは、この手のカメラでは考えにくい
2つとなるとそれはそれでコストがかかり、また熱の処理も難しくなるのでこのカメラではSDカードを採用しています。


コストを優先されたということは、CFエクスプレスは必要ないとのことですか?

 

はい。必要がないと判断しています

これは4K60P対応のカメラ、実は放送局ではフルHDが普通で、フルHDで撮ることもあります
そういうことを考えた時に、フルHDから4K60P10ビットの高画質までSDカードで撮れるということは、逆に汎用性の高さは強みだと我々は考えています
同時に、運用コストをシビアに考えるとSDカードが最も良い選択肢が現状です
既存のお持ちのSDカードが使いまわしできますし
実際、多くの現場でSDカードが使われている業界ですのでそれがそのまま使えるというのは、「乗り換えていただく」ということでもメリットとなります
画質優先、記録モードもかなり高画質、そういう時にCFエクスプレスですが、そこまでの用途でない記録用としてこの仕様で十分です。
編集環境がまだまだ8Kに対応していなくて、4K60Pがせいぜいが実情
4K60PまでだとSDカードでなんとか事足りますが、5.7Kから8KになってくるとCFエクスプレスが必要になってきます
現状の放送局の機材や編集の機材、また即応性が求められるニュースも4K60Pで対応できていますので
ただ、LUMIXで行われている作品づくり
印象的な映像を撮り「今までとは違ったもっときれいな映像を撮りたい、それを見てもらいたい」というところは別物
6K8Kで撮りたいというニーズに対応して、LUMIXでは高速カードに対応しています


まさに、仕事の世界ですね

非常に合理的な判断とスペックは、それはユーザーが求める姿

プロカムコーダーって撮影現場に寄り添った商品」だと強く感じるところです


 

 

Point 9 3連のマニュアルリング


 

最初のご説明であった、レンズの鏡筒に組み込まれた3連リング

フォーカス、ズーム、アイリスとして独立して操作できる仕様で、素早く直感的にカメラワークが行えます

ここも開発の方に聞いてみました

 

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3連リングの仕様は、この手のカメラを使われる方にとっては非常に求められる仕様です
このインターフェースが、この価格で!1インチで!搭載しているはかなりめずらしいことかなと思います
こういう仕様もそうですが、このビデオカメラにはワークフローを効率化を実現する様々な優れた操作性を搭載しています

もちろん、レンズ交換式の一眼スタイルでもこういった操作系を実現しようと思えば、色々とやり方はあります
それを実現する手間、それを楽しいと思って趣味で作り上げていかれる方にとってはとても意味あることですし、楽しいことと思います

ただ、仕事で使うとなるとそこまで時間をかけてられない、そういう方にとって『ワンパッケージ』になっているのは、これまたとても意味あることだと思っています


この部分は、元来カメラ好き、そして機械好きの私にはよくわかる部分ですね

楽しさの源は人それぞれ

カスタマイズする愉しみ、リグにパーツを組み上げて「マイカメラ」を作ることはカメラ100年の歴史そのもの


 

 

Point 10 色づくりの特長とLUMIXとの関係は?


 

LUMIXで行われている絵作りとの関係はどうなっていますか?

シーンファイナル(ガンマモード)の中にシーンファイルを用意しています

名称は「スチルライク
ルミックスで使われている階調とか色とかなり近い設定にしてあり、お使い頂くことでルミックスと併用するという使い方も可能です

ガンマ設定は、一般的なHD撮影に適した「HD」をはじめとするX2:10 モード、X20:8モードを用意し、番組や映像表現に合わせて選択できます
映画に近い感覚の映像表現を可能にした「シネライクD/シネライクV」
また、フィルムに近い階調を表現できる「フィルムライク1/2/3」などあります

 

 

 

ルックって分野ですね。実際にシーンファイルを変えてみると、大きく印象が変わります(スチルライクは動画としては結構派手な印象となります)

そして、一般的なHDは放送業界の色と考えてよいでしょうか

 

そうです。言い換えるなら、ビデオカメラのパナソニック伝統の設定です


ベーシックな民生機との兼ね合いはどうでしょうか

 

最近は似てきていますね
昔は民生は派手目に、放送は抑えめにでしたが、民生も抑え気味になってます
基本、民生は鮮やかなのが好まれましたが、ここ最近はかなり落ち着いた感じにしています

 

話しを戻して、スチルライクを入れられた理由は?

 

従来、イベント撮影ではプロカムコーダーのみ使われていたところでも
ここ最近、特長的な場面は一眼系の機材で撮影されて、全体はプロカムコーダーで撮影されるというケースが出てきています
このような併用されるパターンとの親和性を良くしようも、このスチルライフを搭載した理由となっています

 

さらにX2では、「HLG」「V-Log」を搭載していて

色を合わせるという視点では
V-Logで記録すれば「こういった階調」「こういった色再現です」というのが決まっているので
ルミックスで撮影した動画であっても、カラーグレーディング時に容易に後処理が可能で、併用することが可能になっています。



ここでも、実際の撮影現場に寄り添っておられますね

併用された場合の親和性や作業効率を考えておられます

 

 

 

Point 11 レンズのマウント同じマイクは資産!マイクの端子はXLR


 

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動画への素人さが出てまことに恐縮ですが

このビデオカメラに搭載されているマイク端子は『小学校の放送室のマイク』『運動会の時のマイクの端子』だと思うのですが

それがまだ生きているとの認識でよいですか

 

はい。同じ規格です
長く続いている理由の一つに『マイクは資産だから』はお客様のお声
資産を使いまわすことができるという観点で、残してほしいとのお声は良くお聞きします
そして、一番の理由は『抜けない』ことでしょうか
あと、『ノイズに強い』ということも長所の一つで今も現役です
このビデオカメラの場合、XLR音声入力端子を2チャンネル(2箇所)備えています

 

あと内蔵マイクと外部マイクの使い分けを教えて下さい

 

内蔵マイクはステレオマイクになっていて、左右の音の広がり臨場感ある形その場の雰囲気を録るという使い方になります。
別売のガンマイクは本体のマイクホルダーに取付て使用しますが、被写体の音をちゃんと録りたいという使い方になると思います。
もちろん内蔵マイクでもきっちり音声を録音できるのですが、どちらを使うかは用途によって選んでいただくことになります
音声は2ch記録になっており、片chをガンマイクで録り、もう片chを内蔵マイクにするという使い方も可能です。
取材やインタビュー撮影など、音声は確実に残しておきたいということがあります。
音声があれば映像は後でインサートなどでなんとかなる場合もありますし、片方は外部マイクで録音し、片方は内蔵マイクでバックアップするという使い方も可能です。
仕事で使うときの音声は絶対に録り逃しは避けたいもので、映像はなくても音声さえあればなんとかなるという世界も一面です。


 

まさに、レンズ交換式のカメラのレンズマウントと同じですね

レンズは資産、マイクも資産

システムカメラはこうでなきゃ!との思いを強くしたヤオッターです

と、同時に「抜けないこと」

こういう当たり前のことながら、撮り直しができない世界観は静止画も動画も一緒

またもや「プロカムコーダーって撮影現場に寄り添った商品」だと感じるところです

 

 

 

Point 12 古い規格の端子と言えば、HC-X2にはSDI OUT端子が搭載されていますね


 

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映像/音声出力端子として、HDMIに加えて「SDI OUT端子」が搭載されていますね

かなり昔の規格だと思うのですが

 

かなり昔というか、むしろ古い規格ですね(笑)
HDMIだと10mの伝送距離なのですが、このSDI OUT端子を使うと100m程度まで伝送することができます
そういう伝送距離の長いも特長ですが、ここも一番は抜けないこと
ロック機構が付いていることが、今も必要とされる理由の一つです
撮影現場の環境に合わせて、解像度を優先したり、接続の安定性を優先したりとお客様にとって最適な方法を接続方法を選択できるようにしています
ただ、この端子やタイムコードの TC IN / OUT端子、LAN端子はX20には搭載しておりません。

ここがX2とX20の大きな違いで、X2では
LANケーブルでストリーミング、ライブ配信ができたり、業務機で一般的に使われているSDI端子も使えます
さらに複数カメラで運用してあとで編集するときに、タイムコードがあれば簡単に編集できますよ....そういった端子があるのがX2です
 
① ワークフローの中でシステムや機器連携で使っていただくのであればX2
② 単純に1台で撮って完結するといった使われ方をされるならX20

を選んでください

そういった考え方で二つの商品を構成しており、当然価格差を設けて、お求めやすい価格になっています。

 

『このスペックはあなたに必要なものか、そうでないか』

こういう合理的な考え方が動画の世界観ですね

 

静止画はついついスペック重視で、上へ上へとなりがちです…反省

いすれにしても『この端子を必要するかしないか』

この一点のみで機種の選択をご判断下さいませ。その他の写りや機能は変わらないので

 

 

 

折角の機会なので余談1 今回の新製品には業務品番ではなく『民生品番』が附されました。その思いは?


 

大規模なイベントだけでなく、2、3人のライブイベントがコロナで増えてきているので、そういった意味では対象となるユーザーの幅が今回広がったのかなと思っています
『プロが大規模なシステムの中で使うものとは違って、簡単に軽く使っていただけますよ』
というニュアンスを込めて『HC』というのをつけさせてもらいました
CX350という業務モデルがあり、それにはNewTek社が開発したNDI(ネットワークデバイスインターフェイス)が搭載されています
スイッチャー、カメラシステム、メディアサーバーなど、ネットワーク上にあるすべてのNDI®対応機器と連携できるプロトコルがCX350には入っていて、大規模なシステムの中でCX350を使っていただけるということです。
  
ただ、HC-X2 / X20であっても、NDI®対応機器を要しない小規模中小規模では十分役に立ちます。
お客様が負担できる範囲の価格で機能を見ていただいて、そこに合った商品を選択いただく、そういったラインナップ展開を我々としても用意しておく
そうすることで、お客様側からのとっつき易さも変わってくる、そういうところを意識した上で民生品番としています


 

 

 

折角の機会なので余談2 アイリスって絞りのことですねよ


 

私は長い間静止画の中で生きてきたので、恥ずかしながら「アイリス」という言葉にまだ馴染めてません

 

 

アイリスとは眼の光彩のことなので、絞りそのもの機構のことを言うイメージですね
業界の標準用語でそう呼んでます
ISOのこともビデオではゲインといいます
たぶん業界言語の違いですね


アイリスを開放して、それでも暗い時にはゲインを上げる。

シャッタースピードを下げて明るく撮影する方法もありますが、フリッカーがでたり被写体がぶれたりするので要注意 そんな感じかな (^^);;

 

 

 

折角の機会なので余談3 コロナ禍でカムコーダの市場で変化はありましたか?



コロナ禍は様々な業態業種に大きな影響をもたらしています

写真業界は、その中にあってもかなり影響が少なかった、そこはミラーレスの大転換時代であったという後押しもあるのですが

海外に行けないなら国内で、それもだめならご近所フォト、それもだめならお家のお庭フォト。さらにだめならテーブルフォト。それも飽きたら、未来の撮影を夢見て訓練。カメラを触っているだけでいい。

最後の最後は、買うことでコロナ禍をやり過ごす…写真好きの皆さまには感謝でいっぱいですが

カムコーダーの市場はどうでしょうか?

 

コロナ前は、一眼に移行していく方が多い印象を我々は持っていました
しかし、コロナ禍になってもう一度この形のカメラの良さが見直されている
ここ最近、お客様との話しの中で感じます
ただ、コロナ禍の最初のころはイベントも中止で、ビデオカメラ売れなくなるか?....心配となった時期もあります

 

先日たまたま黒部立山アルペンルートに旅行したのですが、意外や意外(失礼はご容赦)カムコーダーの方を結構みかけて、一体型ビデオがその場に動いている.....を実感しました
自店で販売するようになり、今まで見えてなかったものが見えたのかもしれないですが、カムコーダー市場は確実にコロナ禍を経ても生きてますね

 

 

 

まとめ



パナソニックの皆様、ご丁寧な説明まことにありがとうございました

また、素晴らしい機会を設けて頂いた営業の皆様、重ね重ね御礼申し上げます


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まとめさせて頂きますと

私が思っていた通りのことは「ワークフロー」重視なこと

逆に、想像していたこと以上に凄いと感じたことは「極めて合理的なこと

また、まったく思いもしなかったことは「変えてはいけないことも多い」世界であったこと

 

技術進歩が速い中で

進歩と歴史を合理的に判断され、必要なものは新規に搭載する、変えてはならないものはしっかりと残されていることに

大いに感動した時代です

 

そして

動画専用機の良さや強みを、一眼系の動画機と併用する中で生かす

逆に、動画専用機に一眼系の動画機の特長を加える

相互に補間できる関係にあること』を知ったことが今回の最大の成果

 

私共の店も

『映像の中に写真=静止画あり、そこに動画もあり』を極めていきたいと思うところです

 

 

八百富写真機店 ヤオッター

 

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