㊥カメラ 担当係 "S" です。本日もご覧いただきありがとうございます。
拙者これでもカメラなんです。出来ればトイカメ扱いはやめて頂きたいのじゃ!
富士写真フィルム 「フジペット35 FUJI PET 35」 が入荷しました。
このカメラ、そのチープな感じから現在は完全に「トイカメ」扱い。
まあ、実際に買われるお客様がほとんど「若い女性」ということもあり、ホルガやダイアナと並んで陳列されていることが多く、まかり間違ってもLEICAのお隣にお座りなることはまずないカメラです。
でも、このカメラ、ウインドの中からこんな風に叫んでいるかもしれません。
「俺、一応これでもカメラなんで。できたらおもちゃ扱い(トイカメ扱い)は勘弁してよ」
そこで、ちょっとペットの代わりにその背景をお話しましょう。
「PET 35」よ!お前のミッションは底辺拡大だ!
このPET 35、実は非常に大きなミッションを達成するためこの世に登場しました。
正確には、ミッションを引き継いだというほうが正しいのかもしれませんが、兄貴分の「フジペット FUJIPET」、その弟の「フジペットEE FUJIPET EE」とともにこの業界の礎を築いた歴史的カメラなんです。
そのミッションは、「写真の底辺の拡大」
ほんとフジフイルムは今も昔も変わらん存在で、一にも二にも「フィルムを使う人」を増やせが合言葉の会社なんです。今は少し進化?して「印画紙を増やせ」が社是となりましたが、いずれにせよ「一人でも多くの人に写真を撮ってもらって、1枚でも多く写真を残してもらいたい」、そんなことばかり考えてきた会社なんです。
フジペットの時代はまだまだ、写真は高嶺の花。
庶民が気軽に使うというレベルではなく、ここぞという時(記念写真)に男性がボーナスはたいて買った高いカメラで撮りましょうというのが普通で、まだまだ写真材料の消費量は少ない時代でした。
富士写真フイルムの業績を上げるためには、さあ、どうする、どうしましょ?
??????
まあ、誰が考えても「あたり前田のクラッカー」、フィルムを使う人を増やせばいいわけです。
「安いカメラで、手軽にきれいな写真を撮れるようにすれば、フィルムの消費量が増える」
そして、もう一つの切り口が「使う人、写す人を増やす」
その答えが「子供と女性」なんです。
なんか、今の時代と全く変わらないのが笑えますが、結果的に需要を拡大させるには「女性」と「若者」がキーワードということです。(今のマイクロフォーサーズ陣営の商品戦略と全く同じですね)
お分かり頂けました?
すなわち、
「せっかく買ったに、せっかく写したのに、なんやこれ~あかんな」
では絶対にダメだったのです。故に、このカメラ、
非常によく写ります。ほんと、馬鹿にしてはだめですよ。
なめてかかったら怒られちゃいます!(いったい誰に怒られるか???ですが......)
また、このカメラ色々と小細工ができるんです。
①絞りとシャッタースピードが合わせられます
②ピント合わせができます
③光学式ファインダーがついています
④レリーズが使えます。(取り付け型のセルフターが使えます)
などなど、まあこんなふうにカメラの基本機能がちゃんとしていたこともプラスに働き、
FUJIPET/FUJIPET35/FUJIPET EE の3機種、約7年間でなんと約100万台も販売された大ピット商品となりました。
まあ、だからトイカメと一緒にするな!と叫んでいたわけですね。
では、次ページで詳細写真を。
この商品にはケースとキャップが付属します
大衆機ということが原因なのでしょうか、かなりの確率で「レンズキャップ無し」での入荷という場合が多いです。しかい、これにはちゃんとその貴重な「PET35ロゴ入りの純正レンズキャップ」が付属しています。
あと、やれ感がありますが、純正の茶皮ケースも付属します。
この商品のレンズとファインダーは清掃済
この系のカメラが入荷しますと、全数「ファインダー」と「レンズ」内がホコリと汚れで白濁している場合が多いですが、この個体はきれいにクリーニングしてもらいました。
当然、それでもややホコリ等は残っていますが、明らかに透明です。
逆光時や半逆光時、そのままの個体よりもかなり良い写りが期待できると思います。
基本スペック
型式 35mm判レンズシャッターカメラ
レンズ フジナーK 45mm F3.5 (3群3枚)
シャッター コパル #000 (B.1/25~1/200秒)
シンクロ X接点
ファインダー 逆ガリレイ式・透視
焦点調整 前玉回転式・目測
フィルム送り ノブ式自動巻き止め・クランク巻き戻し
使用フィルム 135
寸法 116mm × 77mm x 67mm
重量 300g
発売 1959年(昭和34年)6月
定価 4,100円
レンズ先端から、まずピントリング、次のゼブラ状のリングがシャッタースピード設定リング、そして一番奥が絞り値表示。
絞り値の向かって左側の小さな穴が、レリーズ取り付け部です。
ほんの少しだけ、ネジが切ってあります。(2回転分ぐらい)
ここに、市販の機械式セルフタイマーを取り付ければ、セルフタイマー撮影が可能となります。
レンズ下側のレバーが絞り設定レバー。指標は上側(先ほどの写真ご参照)
根元との接点が、シンクロ接点となります。
今売っている普通のストロボが使用可能で、全速同調可となります。
シャッターの切り方(シャッターセットとレリーズ方法)
向かって右側の黒レバーを下側に「カッチ」というまで押し下げます。
これが、シャッターセット。
次に、向かって左側の黒レバーを下側に押します。
これでシャッターが切れます。
次に撮影する時は、この繰り返し。必ずシャッターセットという作業が必要で、行わなければシャッターは開きませんのでご注意下さい。
(但し、レリーズしても「カッチ」とシャッター音がしないので簡単に判別できます)
慣れればなんのことはないのですが、左右で力加減が異なりますのでご注意下さい。
右側の押し下げはの感触は、少しだけ下側に「ぐいーっと」押し込む感じ。
下側への移動量は少なく、やや力を入れて押し下げる感じです。
反対に、シャッターを切るときは、下側に押し下げる感じ。
但し、こちらは軽く「すーっと」下げるだけという感じです。
ただ、この作業は同じコマで何回も出来ちゃいます。
完全多重露光付きといえば機能の一部なのですが、単に多重露光防止機能がないというだけなんですが......。
小ネタ : 「巻上」「巻き戻し」ダイヤルは反対に回さないで!
写真の様に「WIND」と「REWIND」とプリントされた飾りカバーに「矢印」が印刷されています。
必ずご使用になる時は、その方向を間違えないで下さい。
間違えるとどうなるかといいますと、答えは丸いダイヤルが外れます。
高級カメラなら外れないように、小さないもネジで固定するのですが、さすがこのクラスです。
そこまでしていませんので、反対に回すと「簡単」に取れちゃいます。
ほんとご注意下さい。
なんでそんな間違えがおきるのか、右と左で回す方向が違うからなんです。
つまり、一方は逆ネジですね。
時々、他の一眼レフカメラでも、逆に回し、部品が外れて紛失というケースが初心者の方に時々あります。部品が残っていれば無償で取り付け可能なのですが、無くされるとどうしようもありません。
くれぐれもご注意下さい。
巻上るためにはもう一つ手順が必要です
普通のカメラなら、シャッターを切ればそのまま巻上レバーを回せばよいのですが、このカメラそう簡単ではありません。
ファインダーの右横に小さなレバーがありますが、「巻上解除スイッチ」みたいなものです。
このスイッチを動かすと、巻上が出来るようになります。
1回「スライド」で1回「巻上」。
ということで、別にシャッターを押さなくても、「1回スライド1回巻上」を連続して可能なわけで、極端な話、1枚も撮影せずに最後までフィルムを送ることが出来るということです。
なにか、自分なりの手順を決める必要があります。
例えば、「私は写す前にしか巻き上げない」。
あるいは反対に、「写し終わったら、必ず巻き上げる」。
それさえ決めればなんら問題ないので、これも不便ですが「慣れ」で解決できます。
まあ、昔のカメラなんで許してやって下さい。
あと、左側に見えている「ぎざきざ」。これは、フィルムカウンターです。
これも、当然不便で、裏ブタを開けたからといって、自動でスタート位置に復元するような便利な機能は付いておりません。
撮影が終わって、新しいフィルムを入れる際には、「ギザギザ」部を指で回して「赤文字のS」を出してください。「Soo1234......」という順番で増えていきますので、1から撮影を開始してください。
ああ、忘れてました、このレバーは巻き戻し字のスプロケット解除レバーも兼ねています。
巻き戻し時は、このレバー右側に指でスライドさせたまま、「REWIND」ダイヤルで戻します。
裏ブタを空けるのもやや特殊
裏ブタを空けるのもやや特殊な構造となっています。
「OPEN」という文字の位置が重要です。
右側の位置なら、その横にあるシルバー光沢メッキの部品に指(爪)がかかるでしょ。
そうでないなら、かからない。つまり、指(爪)を入れる隙間があるか否かが、開閉キーのロック機能ということです。レバーを少し起こすと裏ブタが開きます。
ほんと不便な構造ですね、かなり特殊なやり口。
最後にフィルム室の写真
フィルム圧版がちゃんと平らですね。(まじめなカメラの証というところでしょうか)
不真面目なカメラは、ここが湾曲しています。
本体側の大きなギヤ、これが大切な部品で、このおかげで8穴分フィルムが送られます。
このギアが8穴部分進むと、先ほどの「巻上解除レバー」と連動して巻上が止りまる仕組みです。
使用上は、特に気にする必要はなく、フィルム装填時にちゃんとフィルムとのかみ合わせを確認するだけで十分です。
あと、裏ブタ部になにやらシールが見えますね。拡大してみましょう。
この時代の前から、各社こういう宣伝はやっています。
コダックもアグファも、以降コニカも、まあ当然の販売促進策というところですね。
ただ、よくデザインを見るとまだ白黒20枚撮りの時代ですね。
そういえば、24枚撮りはコニカの発案でしたか......
ということで、だらだらと説明書みたいな内容となってしましましたが、使い方に関してはやや「慣れ」が必要な部分もあるカメラで、まだまだ「誰でも簡単に」とはいきません。
が、確実に写真の裾野を広げた「歴史的名機」と言えると思います。
写りもかなりのもので、被写界深度とピント合わせを駆使すれば、目測式といえどもかなりの写真が撮れるものと思います。
展示店は大阪駅中央店店 です。
お値段は、(税抜)9,500円 (税込)9,975円です。
店舗へのお問い合わせは、電話06-6341-7005 またはメールにてお願いします。
大衆機ということが原因なのでしょうか、かなりの確率で「レンズキャップ無し」での入荷という場合が多いです。しかい、これにはちゃんとその貴重な「PET35ロゴ入りの純正レンズキャップ」が付属しています。
あと、やれ感がありますが、純正の茶皮ケースも付属します。
この商品のレンズとファインダーは清掃済
この系のカメラが入荷しますと、全数「ファインダー」と「レンズ」内がホコリと汚れで白濁している場合が多いですが、この個体はきれいにクリーニングしてもらいました。
当然、それでもややホコリ等は残っていますが、明らかに透明です。
逆光時や半逆光時、そのままの個体よりもかなり良い写りが期待できると思います。
基本スペック
型式 35mm判レンズシャッターカメラ
レンズ フジナーK 45mm F3.5 (3群3枚)
シャッター コパル #000 (B.1/25~1/200秒)
シンクロ X接点
ファインダー 逆ガリレイ式・透視
焦点調整 前玉回転式・目測
フィルム送り ノブ式自動巻き止め・クランク巻き戻し
使用フィルム 135
寸法 116mm × 77mm x 67mm
重量 300g
発売 1959年(昭和34年)6月
定価 4,100円
レンズ先端から、まずピントリング、次のゼブラ状のリングがシャッタースピード設定リング、そして一番奥が絞り値表示。
絞り値の向かって左側の小さな穴が、レリーズ取り付け部です。
ほんの少しだけ、ネジが切ってあります。(2回転分ぐらい)
ここに、市販の機械式セルフタイマーを取り付ければ、セルフタイマー撮影が可能となります。
レンズ下側のレバーが絞り設定レバー。指標は上側(先ほどの写真ご参照)
根元との接点が、シンクロ接点となります。
今売っている普通のストロボが使用可能で、全速同調可となります。
シャッターの切り方(シャッターセットとレリーズ方法)
向かって右側の黒レバーを下側に「カッチ」というまで押し下げます。
これが、シャッターセット。
次に、向かって左側の黒レバーを下側に押します。
これでシャッターが切れます。
次に撮影する時は、この繰り返し。必ずシャッターセットという作業が必要で、行わなければシャッターは開きませんのでご注意下さい。
(但し、レリーズしても「カッチ」とシャッター音がしないので簡単に判別できます)
慣れればなんのことはないのですが、左右で力加減が異なりますのでご注意下さい。
右側の押し下げはの感触は、少しだけ下側に「ぐいーっと」押し込む感じ。
下側への移動量は少なく、やや力を入れて押し下げる感じです。
反対に、シャッターを切るときは、下側に押し下げる感じ。
但し、こちらは軽く「すーっと」下げるだけという感じです。
ただ、この作業は同じコマで何回も出来ちゃいます。
完全多重露光付きといえば機能の一部なのですが、単に多重露光防止機能がないというだけなんですが......。
小ネタ : 「巻上」「巻き戻し」ダイヤルは反対に回さないで!
写真の様に「WIND」と「REWIND」とプリントされた飾りカバーに「矢印」が印刷されています。
必ずご使用になる時は、その方向を間違えないで下さい。
間違えるとどうなるかといいますと、答えは丸いダイヤルが外れます。
高級カメラなら外れないように、小さないもネジで固定するのですが、さすがこのクラスです。
そこまでしていませんので、反対に回すと「簡単」に取れちゃいます。
ほんとご注意下さい。
なんでそんな間違えがおきるのか、右と左で回す方向が違うからなんです。
つまり、一方は逆ネジですね。
時々、他の一眼レフカメラでも、逆に回し、部品が外れて紛失というケースが初心者の方に時々あります。部品が残っていれば無償で取り付け可能なのですが、無くされるとどうしようもありません。
くれぐれもご注意下さい。
巻上るためにはもう一つ手順が必要です
普通のカメラなら、シャッターを切ればそのまま巻上レバーを回せばよいのですが、このカメラそう簡単ではありません。
ファインダーの右横に小さなレバーがありますが、「巻上解除スイッチ」みたいなものです。
このスイッチを動かすと、巻上が出来るようになります。
1回「スライド」で1回「巻上」。
ということで、別にシャッターを押さなくても、「1回スライド1回巻上」を連続して可能なわけで、極端な話、1枚も撮影せずに最後までフィルムを送ることが出来るということです。
なにか、自分なりの手順を決める必要があります。
例えば、「私は写す前にしか巻き上げない」。
あるいは反対に、「写し終わったら、必ず巻き上げる」。
それさえ決めればなんら問題ないので、これも不便ですが「慣れ」で解決できます。
まあ、昔のカメラなんで許してやって下さい。
あと、左側に見えている「ぎざきざ」。これは、フィルムカウンターです。
これも、当然不便で、裏ブタを開けたからといって、自動でスタート位置に復元するような便利な機能は付いておりません。
撮影が終わって、新しいフィルムを入れる際には、「ギザギザ」部を指で回して「赤文字のS」を出してください。「Soo1234......」という順番で増えていきますので、1から撮影を開始してください。
ああ、忘れてました、このレバーは巻き戻し字のスプロケット解除レバーも兼ねています。
巻き戻し時は、このレバー右側に指でスライドさせたまま、「REWIND」ダイヤルで戻します。
裏ブタを空けるのもやや特殊
裏ブタを空けるのもやや特殊な構造となっています。
「OPEN」という文字の位置が重要です。
右側の位置なら、その横にあるシルバー光沢メッキの部品に指(爪)がかかるでしょ。
そうでないなら、かからない。つまり、指(爪)を入れる隙間があるか否かが、開閉キーのロック機能ということです。レバーを少し起こすと裏ブタが開きます。
ほんと不便な構造ですね、かなり特殊なやり口。
最後にフィルム室の写真
フィルム圧版がちゃんと平らですね。(まじめなカメラの証というところでしょうか)
不真面目なカメラは、ここが湾曲しています。
本体側の大きなギヤ、これが大切な部品で、このおかげで8穴分フィルムが送られます。
このギアが8穴部分進むと、先ほどの「巻上解除レバー」と連動して巻上が止りまる仕組みです。
使用上は、特に気にする必要はなく、フィルム装填時にちゃんとフィルムとのかみ合わせを確認するだけで十分です。
あと、裏ブタ部になにやらシールが見えますね。拡大してみましょう。
この時代の前から、各社こういう宣伝はやっています。
コダックもアグファも、以降コニカも、まあ当然の販売促進策というところですね。
ただ、よくデザインを見るとまだ白黒20枚撮りの時代ですね。
そういえば、24枚撮りはコニカの発案でしたか......
ということで、だらだらと説明書みたいな内容となってしましましたが、使い方に関してはやや「慣れ」が必要な部分もあるカメラで、まだまだ「誰でも簡単に」とはいきません。
が、確実に写真の裾野を広げた「歴史的名機」と言えると思います。
写りもかなりのもので、被写界深度とピント合わせを駆使すれば、目測式といえどもかなりの写真が撮れるものと思います。
展示店は大阪駅中央店店 です。
お値段は、(税抜)9,500円 (税込)9,975円です。
店舗へのお問い合わせは、電話06-6341-7005 またはメールにてお願いします。
+++中古カメラ担当係+++
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