カメラの八百富|復刻版と呼ぶのは?Rollei 35 classic ローライ 35 クラシック

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㊥カメラ 担当係 "S" です。本日もご覧いただきありがとうございます。

「復刻版」と呼ぶのはいささか言い過ぎかな?

Rollei 35 classic ローライ 35 クラシック  が入荷しました。

rolleiclassic-001.jpgWEB上では「1990年にローライ35Sの復刻版として発売された」とされているこのカメラ。
果たして「復刻版」と言っていいのかどうか......?

まず、国語辞典(大辞泉)で「復刻」という言葉を調べてみました。

書物などの以前に出版したものを新しく版を作り直し、もとのとおりに刊行すること。また、その物。

とのこと。

う~ん、だれが見ても、このカメラ、明らかにオリジナルの「ローライ35S」とは全く外観が異なります。ちょっと「復刻」と呼ぶにはかなり無理があるとかなと思うのですが......

なんか揚げ足取りのようで恐縮ですが、どこでどうしてこれを「復刻版」と呼ぶようになったのでしょうか?どうしても「復刻」という言葉を使うとするなら、「Cameras on the Roadds」さんのご説明の「復刻版の意味合いで作られた」というのが正しいかなと思います。

実は私(というか会社)、当時のカタログを持っていまして、そのカタログの表紙は次の言葉から始まっています。

New Rollei 35 classic

rolleiclassic-002.jpgそう、あくまでもこの製品は「NEW」、新型ローライ35なんです。

そのあたり、次ページでご紹介する「カタログ」をご覧になるとよくわかるのですが、郷愁の思いから復刻されたのではなく、最新の技術で現代に蘇ったローライ、多機能化や自動化が進む時代に対する逆説(反骨?)精神、あるいはカメラはこうじゃなっくちゃという価値観の共有、そんな背景から生まれたカメラであったようです。

ところが、WEBにはビックリするようなNEWS記事が掲載されています。

最近「駒村商会」から発売された「ビンテージ・バージョン」に関する記事なんですが、こんな風に紹介されていたのには、やや驚き!

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世界初の35mmコンパクトカメラである 「Rollei 35 Classic」 が限定版ビンテージ・バージョンで復活することになった。復刻版といっても1990年に一度復刻された 「Rollei 35 Classic」 にような単なるレプリカではなく、現代風のデザインを取り込んだ複数のボディが用意されるという。大きく分けて、天面にホットシューのない (底面にある) シンプルな Rollei 35 「S」 のほか、天面にホットシューをそなえ黒ベースの「black magic」、白ベースの「white magic」 、そして紫に金をあしらったゴージャスな 「Royal」 などなど。

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ここまでくると、もう明らかな事実誤認。

書き出しから????
いつのまに「Rollei 35 classic」モデルが世界初の35mmコンパクトカメラになったの?

また、1990年の製品がどこがどう「単なる」レプリカなの?
レプリカというなら、このビンテージモデルの中にレプリカがあると思うのですが。

現実は今度出た「ビンテージ・バージョン」が1990年の「Rollei 35 classic」の外装を豪華にした限定生産の復刻版(但し、レンズ性能はアップらしい)、そのなかにオリジナルをほぼ踏襲した底シューモデルもあるというのが正しいのですが...

いったい、どこでどう話が混乱したのか、こんな話が検索エンジンの上位にあるのは............
といいながらこの私も「いいかげん」なことを書いている場合もあるかもしれませんので、この辺でおしまいおしまい、次ページへどうぞ。

従ってカタログには「復刻」という言葉は一切ありません。
唯一、その言葉に近いのが「蘇った」という部分でしょうか。

私がどうのこうのというよりは、下の写真をクリックして内容をご確認下さい。
このカメラのコンセプトがよく理解できます。

(※クリックして頂くと1024x768ピクセルでご覧頂けます)
rolleiclassic-003.jpgrolleiclassic-004.jpg要約しますと、

  1. 自動化のためにカメラ大きくなるのはダメだ。小さくてよく写るカメラはいまでも求められている。だからこの Rollei 35 classic は蘇った。
  2. 個性を発揮したい人向けで、人と違ったものを持ちたい人にもお勧め。最新の技術が投入され、そこらのカメラとはわけが違う。
  3. よく写るレンズと露出計。いらないものは含めず、必要な機能のみ小さなボディーに集約。
  4. 小さくて、堅固、洗練されたデザイン、それを実現する made in Germany。
ということのようです。もっと簡単に言えば、

よく写るレンズを載せた、小さくて堅固で個性的なドイツ製カメラが現代の技術で復活した



では、入荷商品の具体的なご紹介。

このカメラ、正確無比の方にはお勧めしません

なぜなら、ピントが目測式なものですから。

rolleiclassic-005.jpgローライ35系の全てにいえることですが、厳密なピント合わせは一眼レフでもなければ、距離計を内蔵しているカメラでもないので、土台無理な話です。
おおらかな気持ちで、スナップ撮影。被写界深度を上手く使って撮影して下さい。

ただ、ジャスピンの時のシャープさは凄いもんです。
勇気をもって開放もありです。是非、ご自身の目測感を磨いて下さい。
特に近接時、ビックリするほどの写真を多々お客様から見せてもらっています。


フィルムの入れにくさは伝統です


これの文句は言ってはなりません。使う資格がなくなっちゃいます(笑)
こればかりは、我慢して使うしかありません。慣れの問題と割り切って下さい。

rolleiclassic-006.jpg電池はH-D。基本は電池アダプター対応

電池はH-D。もうかなり前に生産中止になった水銀電池がディフォルトです。
特定の店で売っている「H-D]の形をした1.5Vのアルカリ電池を入れても、だいたいなんとかはなるのですが、やはり1~2段階露出アンダー(針が振りすぎ)になります。
ASA感度をずらすという便法もあるのですが、アルカリ電池の放電特性はだんだんと振りが鈍くなって来るタイプですので、長期間でみれば安定しません。
基本は、電圧変換型のH-D(MR-9)アダプターをお使い下さい。

rolleiclassic-007.jpg
※ 上の写真のフィルム室の所の文字ご参照。文字の上に電池室があります。PX-625はH-Dの別名表記で同じ意味です。

直接上記話とは関係ないですが、この商品、いわゆる「正規輸入品」となります。
フィルム室に「日本シイベルヘグナーKK」とありますが、当時のローライ日本総代理店になります。現在は、駒村商会扱いです。


外観は派手です


こればかりは評価の分かれるところでしょうが、見た目はオリジナルに比べるとかなり派手です。
高級感や重厚感はかなり高いのですが......、完全に好みの問題かと思います。

rolleiclassic-008.jpg
ローライ35系ご購入時のアドバイス

ローライ35系のチェックポイントは次の2点だと思います。それ以外は、あまり故障のないカメラで、例えば「コマ送り不良」とか「コマ間バラツキ」などの修理を受けたこともありませんし、光線もれも皆無です。ただ、下の2点は時々ありますのでご注意下さい。いずれも、その場ですぐに確認できることです。

  1. 電池ボックス内の液漏れ跡の確認 → このカメラの電池はずーと流れっぱなしなので過放電による液漏れが起きやすいです。ご購入時に確認されると同時に、ご購入後も、長期間使用されない場合には、電池を必ず抜かれることをお勧めします。
  2. スローシャッターが粘っていないか確認 → これは多いかもしれません。必ず、1/8以下のシャッタースピードをそれぞれ確認下さい。ただ、万が一問題があってもほぼ100%修理可能です。

rolleiclassic-011.jpg

ケースの質はかなり高い


このケース、かなりの高品質です。オリジナルのものとは比べ物ならない位「上」の出来栄えで、肉厚もあり外部からの衝撃を和らげてくれる安心感の高い製品です。材質は本革製です。

ストラップの根元は金色。本体との色合わせの加減でしょうが、......
まだ新品があった時代、オリジナルのローライ35に付けるためにストラップだけお買い上げのお客様から「何で金色やねん。銀色はないんか。ほんま......」と怒られたことを思い出します。

rolleiclassic-009.jpg付属品は、純正レンズキャップ・ケース・ストラップとなります。
商品状態は、大変良好で、新品同様と言えると思います。

rolleiclassic-010.jpg展示店はディアモール店 です。
お値段は、(税抜)75,000円 (税込)78,750円です。

店舗へのお問い合わせは、電話06-6348-8945 またはメールにてお願いします。

+++中古カメラ担当係+++



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このブログ記事について

このページは、㊥カメラ 担当係が2010年5月29日 00:48に書いたブログ記事です。

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