カメラの八百富|CANON TX 輸出専用モデル キヤノン TX

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㊥カメラ担当係 "S" です。本日もご覧いただきありがとうございます。

CANON  の輸出専用モデル(国内未発売) TX が入荷しました。

キヤノンのフィルム一眼をコレクションする上での難関が「輸出専用モデル」、最近はeBayという手段で入手することはできるようになりましたが、それでも万人が自由にそういう手段を駆使して手に入れることができるわけでもなく、まだまだご苦労されています。

そのキヤノンさんの輸出専用モデル(国内未発売モデル)を洗い出してみますと、こんな機種が発売されていたようです。

TL(FTの廉価版) TX(FTbの廉価版) AT-1(AE-1のオートなし) T60(EOS時代のMF機)
EF-M(EOSマウントのMF機)

基本的には、何かの機種の廉価版で、いかにもアメリカの功利主義的な考え方に合わせた製品です。使いもしない高機能は値段が高いだけだからいらない、写真が撮れればそれでよい、安いほうがよい、なんか今の日本製の家電製品の北米での状況に似ているのですが、ごちゃごちゃしたもんはついとらんという感じの機種でしょうか。

その中で今まで取り扱ったことがなかった機種が「TX」だったのですか、やっと今回出くわすことができました。

ご参考 TLに関する当ブログ記事 
http://www.yaotomi.co.jp/blog/used/2009/08/canon-tl-fl-50mm-f18.html


canon-tx-001.jpgということで、
昔は、こんな感じで何機種か発売されていたのですが、最近のデジカメの場合はどうなんでしょうかね?ちょっくら海外のカメラ屋さんのサイトを拝見してみました。

まず、CANONさん。
高級機は名称も機能もいっしょです。
「KISS」接吻カメラは、国内と同じくフィルム時代からの愛称「Revel」という海外専用呼称を継続して使用されているようです。コンデジは「Powershot」ということで同じかと思えば、あの「IXY」がない。全てが「Powershot」系列に分類されています。

次に、Nikonさん。
たぶん一眼もコンデジも全ていっしょの名称のようです。
が、さすがコンデジの種類が多くて、海外専用モデルがあるか?(知識不足で......)。
言い訳なんですが新製品の変わり目ということで、新旧入り乱れてよう分かりません。
たぶん、いっしょなんでしょうね。

ついでにPENTAXもチェック!これはしっかり確認できました。まったく一緒。

さすがコスト重視の時代と言えばよいのでしょうか、いちいち変えとったら割が悪いので全世界共通のグローバル製品となっているようです。ただ、和製英語といいましょうか、英語圏で通じない呼称は、現地に適した愛称に変えているようです。とは言え、それもCANONさんだけのようで、他社さんはもう世界共通の名称を使用しているみたいですね。

その昔(かなり前ですが)、CANONさんからコンパクトのフィルムカメラで「AUTOBOY」というシリーズが長く発売されていましたが、海外では確か「SURESHOT」という愛称だったと思います。

日本人は「AUTOBOY」と聞くと、なんとなく全自動でなんでもしてくれるカメラというイメージを持つのですが、アメリカではNG!とある方にお聞きましたら、どうしても何かイメージしろと言われれば、「駐車場で働く少年?」ぐらいじゃないかなと。まあ、そんなんで向こうでは「SURESHOT」というわけなのですが、どうもCANONさんの日米呼称差は伝統のようです。(笑)

ということで、
現在では、一部呼称の違う機種はあるが、どうやら一眼レフに関してはさすがに「海外専用の廉価版」というものは存在せず、ほぼ全世界共通の機種が売られているってなところが答えのようです。

それでは、今日の本題の CANON TX をご紹介してまいりましょう。


CANON TX 諸元

発売年月昭和50(1975)年3月
型式35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ
画面サイズ24×36mm
標準レンズFD50mm F1.8SC
マウントFDマウント(外3爪バヨネット式)
シャッター2軸式の布幕横走行フォーカルプレーン1/500、1/250、1/125、1/60、1/30、1/15、1/8、1/4、1/2、1秒、B、X、セルフタイマーは省略、測光用絞り込みレバーのみ
フラッシュシンクロFP、X接点自動切り換え式、ドイツ型ソケットおよびホットシュー式
ファインダーペンタ固定アイレベル式、倍率=0.85倍、視野率=94%、スクリーンは中央にマイクロプリズム式距離計をもつフレネルマット式、視野内に露出計指針および追針、絞り込み測光用定点、測光連動範囲、連動範囲外警告、露出過不足警告表示
測光・露出制御CdS素子使用、TTL開放追針合致中央重点平均測光/TTL絞り込み定点合致式中央重点平均測光、、測光連動範囲はEV3.7~17(ISO 100でF1.8レンズ)、フィルム感度使用域はISO 25~2000、1.35VのHD型水銀電池使用、バッテリーチェック機構付き
フィルム装填・給送裏蓋開閉スプール差し込み式、上部レバー174度回転、予備角21度(小刻み巻き上げ可能)
フィルムカウンター裏蓋開放に連動して自動復帰する順算式、0~40目盛り
フィルム巻き戻し折り畳み回転クランク式
大きさと質量144×93×43mm、680g(ボディ)


キヤノンさんのカメラミュージアムでは、次のように紹介されています。

FTbの仕様を簡素化して輪出市場に作った普及機種。
最高速のシャッタースピードを1/500秒に抑え、測光系をカットコンデンサー式の中央部12%部分測光ではなく、一般撮影に適した中央重点平均の感度分布特牲とした機種で、絞り込み測光用兼セルフタイマーレバーの絞り込みレバーをロックする機構も省かれていた。
フラッシュシンクロ用のソケットは、従来からのPCソケットに加えてホットシュー式が備わった。

ということなんですが、時系列的には、

昭和46年3月 FTb
昭和48年7月 NEW FTb
昭和49年9月 TLb(海外向け)
昭和50年3月 TX (海外向けのみ)
昭和51年4月 TLb(国内向け)

という流れで、これを紐解くと(あくまでも私の想像です)、
廉価版のTLbを出したけど、ホットシューがないと不便だからTXが登場、一方国内はFTbをメインに売りたいが、価格戦略上安い設定のカメラも必要なのであえてスペック差を大きく見せるためにTLbを導入、そんな感じかなと思います。さて、真偽のほどは......。


FTbと比較するとなんとなく安物さを感じる?

思い込みなのでしょうか、FTbと比較するとなんとなく安物くささを感じるのです。
メッキもなんか薄いというか、シャッターダイヤル部分もなんとなくちゃちいといいますか、機能の廉価版ではなく材料も廉価版、そんな雰囲気が漂います。たぶん、シャッターが1/500までしかなく、シンクロのホットシュー部の接点の数が少ないからでしょうか。

※ お買い上げ頂こうというカメラを卑下して申し訳なのですが......

canon-tx-002.jpg

クイックローディング(QL)じゃないんですね

この部分も省略。
ただ、個人的には、QLより、よっぽどこっちのほうが使いやすいと思います。QLのあのゴリゴリ感はなんとも言えませんね。
サイドと溝のモルトはちゃんと交換されていますので、ご安心下さい。

canon-tx-003.jpg

セルフタイマーレバーじゃなんですよ

この部分も廉価版で、機能省略。
TLbも同じなんで時々クレームを頂戴します。このカメラのセルフタイマー壊れてます!って。
が、実はこれは絞り込みレバーなので、セルフタイマーの方向には動きません。
FTbtと比較するとあまりにちゃっちい上に、紛らわしすぎます。

canon-tx-004.jpg
本来ならここに電源スイッチがあるはずなのですが


FTbなら巻き戻しレバーの下側に電源スイッチとバッテリースイッチがついているのですが、これには両方とも装備されておりません。ということは、電源は入りぱなし、電池を入れたまま長期間放置すると「液漏れ」の危険があるということです。お使いにならない時は、一応電池を抜いておくほうが無難でしょうね。


canon-tx-005.jpg
最後に各方向からの写真を3枚


ご覧の通り、そう悪くはない状態です。

canon-tx-006.jpg厳密に言えば、ちょこっとサイドにありますかね。ちょっと小当たりというレベルでしょうか。

canon-tx-007.jpgそれ以外は、まずまず良好かと思います。付属品は、レンズキャップと、標準レンズのF1.8。レンズは時代なり、あと、ファインダー内に1箇所ゴミが見られます。

canon-tx-008.jpg展示店は大阪駅中央店です。
お値段 は、(税抜)18,000円 (税込)18,900円。

WEB 上でも購入できます。 →  こちら

店舗へのお問い合わせは、電話06-6341-7005 またはメールにてお願いします。

+++中古カメラ担当係+++ 



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このページは、㊥カメラ 担当係が2011年2月13日 00:01に書いたブログ記事です。

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