カメラの八百富|NIKON NIKONOS III ニコン ニコノスⅢ の注意書き

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カメラ買取・レンズ買取㊥カメラ担当係"S"です。

Nikon NIKONOS III 「ニコノスⅢ」 の注意書きタグに書かれていることは、絶対に守りましょう!!! カメラが破損して使い物にならなくなりますよ!!!

ということで、非常に珍しくニコノスIIIに「注意書きタグ」が付いて入荷してまいりましたのでご紹介させていただきます。

nikonos_III-001.jpg新品でニコノスIIIを買って箱を開けて、最初に目に飛び込んでくるのが、この大きな黄色タグ!

実は非常に重要なことが書かれているもので、よくある「念のための注意書き」という類いのものではありません。これを守らなかったために、あるいは知らなかったために、「あ~あ、ぶっ壊れちゃったよ!」という話を聞いたことや、売りに来られたニコノスが「ぶっ壊れていた」ことは沢山あります。

で、なんて書かれているかといいますと、

ご注意
 カメラをあけるときは、まずレンズをはずして下さい。


という具合で、このカメラの構造を知らないない方には、なんのことかさっぱりお分かりにならないかと思います。が、これはこのカメラの特殊な構造に起因する「注意書き」なんです。

nikonos_III-002.jpg裏面は、他の言語。

nikonos_III-003.jpgその理由は、この構造にあるわけです。

nikonos_III-004.jpgこれはニコノスⅠ(NIKONOS I)型初代からの共通使用なのですが、本体(ボディー)が外側のユニットと内側のユニットの2つの部品で構成されているいます。その内側のユニットにバヨネット部がありますから、レンズを外さないと2つが分離できない仕組みとなっています。

ちょっと、言葉でわかりにくいでしょうから、写真で確認してもらいましょう。

nikonos_III-005.jpgというわけで、レンズ・外ケース・内側のカメラ本体の3つの部品で成り立っていることはご理解いただけたと思います。

「じゃ、なんでここまで大きなタグまで付けて、注意喚起」をしてるんでしょうか。その答えは、次ページで説明させていただきます。

その答えは、このニコノスⅢ(NIKONOS III)型までの、ぜい弱な構造に起因するのですが、まずレンズを外す手順をご説明しましょう。

まず、レンズのバヨネットが固定されている状態は、各調整リング(絞りとピント)が真横。

nikonos_III-006.jpgこの状態から、レンズを手前にちょっと引き出す感じ、全体を浮かせる感じです。そのまま左右どちらでもいいですから浮かしもって45度回しますとバヨネットが抜ける角度なりますので、少し力を加えながら手前に抜き出します。

この力加減はグリスの有無で全く異なり、通常はパッキンゴムにグリスが塗られていると思いますので非常にスムーズに着脱できるはずです。但し、新品のパッキンゴムの場合や、あるいはグリスが劣化している場合には着脱しにくいので、ゴムが変形する感触を感じなが「ぐりぐり」と引き出して下さい。(これは、グリスを塗ることで改善しますので、故障ではありません)

こういう手順でレンズを抜いてもらうと、こうなります。
2本爪のバヨネットマウント、内側にもその受けて部分が確認できますね。

nikonos_III-008.jpg話が後先になりますが、下の写真の赤丸部分の凹凸部がレンズが真横になる部分で、回しながらレンズを取り付けますと、レンズが沈むように「すーっとかみ合って」、固定されます。ただ、固定されると言っても、ロック解除ピンがあるような固定のされ方ではなく、ゴムパッキンの圧縮度合いの変化という程度です。

先ほど「浮かせる」と表現したのも、この凹凸部分を乗り越えるためですね。

nikonos_III-007.jpgさあ、ここからが話の核心です。
この赤丸部の突起が非常に重要な部分で、外側のケースから内側の本体部分を抜く時の「てこ」の受けとなります。

nikonos_III-009.jpg抜き出し方は、こう。
まず、左右のストラップ環の可動部(間接部分)の形を整えて、内側本体の突起部分に合わせます。

nikonos_III-010.jpg反対側も同じように。

nikonos_III-011.jpg赤丸の中、内側本体の突起の下に、ストラップの金具の一部、銀色の「てこ」になる部分が少し見えていますね。この状態で「ぐいーっ」とストラップ金具を両方とも下側に押し下げると、てこの原理が働いて内側本体ユニットが「にゅー」っと上がってまいります。

nikonos_III-012.jpgさあ、ここまでの説明を踏まえて、このままレンズを付けた状態でこの作業をしたらどうなることでしょうか、考えてみて下さい。当然抜けるはずがありませんから、一番弱い所が負けますね。

それがこの部分で、ポキっと折れて、その後はご想像の通り。どうにもこうにも内側本体を抜く方法が無くなります、「ジャンク品」となってしまうわけです。

nikonos_III-013.jpg実際に、何度か「欠けた個体」を見たことがありますから、是非、皆様ご注意ください。

このカメラに限らない事ですが、「力かげん」は中古カメラを取り扱う上で、非常に重要なファクターです。当店の場合、若いスタッフが入社してきた時にいつも言うのですが、

「カメラは必ず人間の力に負ける。カメラの取り扱いで力を入れて作業しなければならないことはほとんどない。力を入れなければならないなら、それは使い方が間違っている時。必ず、いったんその手を止めるて、もう一度よく使い方を考えてみること」

こんな注意をいつもしております。

中古品は、取り扱い説明が付属していない場合が多いので、使い方がわかず色々といじくる時は、同じように「力かげん」にご注意くださいね。キーワードは、

「その手を止める勇気。」


まず間違いなく、力を入れると「歪む」か、「曲がるか」「折れるか」かの結論しかありませんので。


それでは、あとこのニコノスⅢ(NIKONOS III) の使い方のご説明を追加。

まず全体のフォルム。NIKONOS I / II と比較するとやや大きくなりました、基本的なコンセプトは同じ。その後出た、ニコノスⅣ(NIKONOS IV)とは全くことなります。

nikonos_III-014.jpgこの機種までは、メカニカルシャッター、電池を一切しません。(除く、フラッシュガン)
但し、スロースピードは無しで、1/30~1/500秒までです。シャッタースピードダイヤル上の「R」は巻き戻し「Rewind」のRです。

nikonos_III-015.jpg
シャッターダイヤルの左前にあるレバーが、巻き上げおよびシャッターチャージとシャッターレリーズボタンの兼用となっています。レバー上の小さなノブは、シャッターロックレバーです。

上の写真が、巻き上げとシャッターチャージが完了した状態で、レバーを手前側(フィルムカウンター)側に押し込むとシャッターが切れます。そのまま手を戻すと、下の写真の状態までレバーが戻ります。

nikonos_III-016.jpgここから本体側に、レバーを止まるまで押し込み、手を離すと少しレバーが戻って先ほどの状態となり、撮影可能状態となります。押し込んで(巻き込んで)、少し戻ってシャッターセット完了、そこから押し込んでレリーズ、そのまま手を離すと、レバーが全開、また押し込む。その繰り返しです。


あと、当たり前なのですが、このカメラにはスプロケットがあります。これで確実・正確にコマ送りが可能となったのですが、それまでの機種は「スプロケットなし」、巻きとり軸の進む量(角度)を変化させながら巻いていた方式をあらため、信頼性の高い(当たり前の)方式に改められました。

一応、以前の機種と比較して改善された点を列挙しますと、以上の通りです。

  • スプロケット式に改良 ... コマ間対策
  • フィルム巻き上げに逆転防止機構をつけた
  • ファインダーに80mmのフレームを追加
  • ファインダーをアルバタ式から採光式に変更 ... フレームが見やすくなった
  • フィルム圧板の取付方法を上下逆にした ... 装填をしやすく
  • フィルムカウンターの位置を底から上部に変更 ... 確認しやすく
  • 全体の大きさと重さを大型化 ... 水中での作業をしやすく

nikonos_III-017.jpg注意書きの多いカメラは、決して褒められるものではないのですが、ここにも注意書きが...。
これもあるんですよね......、フィルムは必ず圧板の下を通して下さい。

nikonos_III-018.jpg
ということで、ニコンの防水カメラ、ニコノスⅢ(NIKONOS III) をご紹介させていただきました。まだまだ、使い方部分でご説明しないといけない部分、例えば「巻き戻しクランク」は引き上げて回さないと使えないとか、まあ色々とございます。

ちょうど、このカメラには取り扱い説明書が付属していますので、是非、よく読んでお使い下さい。あと、使えるかどうかわかりませんが、グリスや「Oリング(パッキンゴム)」も付属しています。

nikonos_III-019.jpgと言いますのは、一応このカメラに付属する「Oリング」は、水中使用時に欠かせない部品なのですが、なにせ昭和40年台のカメラなんで劣化程度が???、水中でお使いになるのは、そこは完全自己責任でお願いします。できれば、普通に陸上で、しかも晴れた日お使いいただければと...、じゃあなんなんだという感じですが、ご理解下さい。

最後に、この個体で最も一押しの部分。めちゃめちゃ「底面」が綺麗です。全体もすごい綺麗なのですが、特に底面がすばらしい。この手のカメラは、アウトドア系なので結構そこらじゅう「傷だらけ」という個体が多いのですが、このカメラは抜群です。未使用というわけではないのですが、この機種としては、一級品かと思います。

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+++中古カメラ担当係+++ 


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このブログ記事について

このページは、㊥カメラ 担当係が2013年4月21日 18:07に書いたブログ記事です。

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