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㊥カメラ担当係"S"です。SIGMA USB DOCK (シグマ USB ドック)が新発売。自分でレンズをカスタマイズするという発想がとっても「斬新」!これから新しい付き合い方がはじるもしれません。
まず、これがUSB DOCKなるもの。
レンズのリアキャップみたいな本体部分と、USBケーブルで構成されています。
「レンズとパソコン」をつなげるだけの商品なので、非常にシンプルな構造。
ゆえに、非常にお安い価格設定となっております。(只今、キャノン用のみ販売中)
シグマ USB DOCK [キャノンEOSマウント用] SIGMA
販売価格 4,980円 (税込価格)
販売ページはこちら http://www.yaotomi.co.jp/products/detail/13368
で、これにどんな機能があるかは後ほど詳しくご説明させていただきますが、いままでフォーカスの前ピンや後ピンで悩んでおられた方にはたまらない新製品です。ご自身で、わりと簡単にピント調整などのカスタマイズができますので、「USB DOCK」対応レンズをご購入されたお客様には、是非ともプラスで購入して頂けたらなあと思うアクセサリーです。
㊥カメラ担当係"S"、一押しの新製品です。
では、本体構造を見ていきましょう。
まず、マウント側は、このようにマウント部とレンズの電子接点とつながる端子があるだけです。
そして、レンズ情報を、USBケーブル介してパソコンとやり取りする仕組みです。
実際にレンズに取り付けるとこんな感じで、パソコンと接続すると緑色のLEDランプが点灯します。
じゃ、これで何ができるかを詳しくご説明していきましょう。
ただ、このUSB DOCK は単なる接続機器で、実際のカスタマイズはパソコンで行います。まず、シグマさんのホームページから、「SIGMA Optimazation Pro」というソフトをダウンロードして、ご自身のパソコンにインストールして下さい。(無料です)
以下のページをご参照ください。 http://www.sigma-global.com/download/jp/
そうしますと、次のことができるようになります。
- レンズのファームウェアアップデート
インターネットを介して、レンズのファームウェアを最新のものに更新することができる
- レンズのカスタマイズ
1.ピント調整
2.AF速度の調整
3.フォーカスリミッターの調整
4.OS(手振れ補正)の調整
ただ、注意事項がありまして、この機能が使えるのは、最新シリーズのContemporary、Art、Sportsラインのレンズのみです。残念ながら、以前のレンズや、あるいは現行レンズでもこの「C.A.S」ラインに該当しなければ使うことができません。
従って、今現時点で対応しているレンズは、以下の通りです。(2013年4月現在)
Art: 35mm F1.4 DG HSM、30mm F1.4 DC HSM
Contemporary: 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM / 17-70mm F2.8-4 DC MACRO HSM
Sports: 120-300mm F2.8 DG OS HSM
さらに、このレンズの中で、全てのカスタマイズができるレンズはカスタムモードスイッチが搭載されている「Sports」のみ。
「Art / Contemporary」は、ファームウェアのアップデートと合焦位置の調整の2点のみ調整できます。そのあたりは、ご購入されるレンズが「何ライン?A / S / C ?」かをよくご確認下さい。
また、以下の2点についても知っておいて下さい。
ピント調整は位相差AF時のみ有効
コントラストAF時には、これらで設定したカスタマイズは無効となります。
あくまでも、位相差AF時のみ有効。
サービスステーションのAF調整とは異なる
- サービスステーション(S.S)受付のAF調整などのカスタマイズは、今後も継続されます
- S.Sでのカスタマイズと、このUSB DOCKによるカスタマイズは、方式が異なる
- S.Sでのカスタマイズはディフォルトを変えるので、たとえ前ピンや後ピンの調整をしたとしても、USBドックで見た場合、そのレンズの補正量は「±0」の状態となっている
- USBドックはディフォルト(工場出荷状態)に対して補正量を決める
ということで、さらに詳しく見てきましょう。
まず、ソフトウェアを起動します。(接続してねという表示がされます)
レンズにUSBドックを取り付けてから、コンピューターとUSBケーブルで接続します。
接続が完了すると最新ファームウエアの自動確認機能が起動します
ファームウエアは、レンズ性能の向上や不具合点の修正を目的にアップデートされるそうで、接続の度に最新ファームがないか自動で確認を行います。(手動での確認も行えます)
カメラ進歩にレンズ内ROMが対応しないということが過去ありましたから、これはかなりの安心システムです。あと、何年後までファーム対応していただけるかが問題ですね、出来れば長~くご対応いただければと思います。
問題がなければ、この画面に。
もし、最新バージョンがあれば指示が出ますので、画面に従って下さい。
今回の場合、新製品の「AF 120-300mm F2.8 DG OS HSM」なんで、ちゃんとそれを認識。マウント・製造番号・ファームウェアのバージョンが確認できます。
では、いよいよカスタマイズ!まず、「ピント調整」から
上の画面の「カスタマイズ」をクリックすると、いよいよカスタマイズメニュー画面」に!
ピント調整に関しては、カメラ側に搭載されている機種が多くなってきましたが、このシグマさんのピント調整のすごい所は、撮影距離「4領域」、ズームレンズの場合はさらに焦点距離「4領域」で調整できることなんです。
カメラ内蔵のアジャスターは、レンズ毎に出来たとしても「1点」のみで調整するだけ。じゃ、どこにその1点を持ってくるか?近接、それとも無限遠、ズームの場合はワイド側、テレ側?にする、どこかを優先するとどこかが悪くなる、じゃあ平均的にする?とまあ、大変なわけです。
そこをすっごく考え抜いたのがシグマさん、超絶賛の機能です。シグマさんは、なんと
単焦点レンズは、「撮影距離」4領域
ズームレンズは、「焦点距離」4領域 × 「撮影距離」4領域 計16領域
をそれぞれ任意にピント調整できるようにされました。その設定画面がこれ。
この120-300mmのレンズの場合、
「焦点距離」は、120mm 150mm 200mm 300mm の4領域に区分
「撮影距離」は、無限 10m 5m位 3m位
と自動で割り当てられます。
この時の表の読み方が重要で、セルと考えて下さい。例えば、10mのセルなら
「10m付近を中心に8m位から30m弱の領域のピントを調整する」
という具合です。
表の中の距離表示部分の赤い線はあくまでもそのセルの中心付近を示しているだけで、オレンジで表示されている「セル」の範囲のピント調整をするという風に、ややアバウトに受け止めていただく必要があります。
そして、補正量は「-20~+20」までの40段階の調整で行うのですが、これには単位はなく、あくまでのその領域内において実際画像を見ながら段階的に調整していく作業が必要となります。
また、この作業はあくまでも「位相差AF」の結果に対する補正ですので、ライブビューではなく通常のAFで撮影して下さい。その撮影結果をお客様が判断して補正量を決めていただけねばなりませんので、ご注意ください。
こうやって、各16領域の補正量を入力すれば、あとは点と点を結すぶ適切な計算が自動で行われ、レンズ内のROMにその情報が記憶される仕組みです。
承諾をクリックすると、書き込み開始。書き込みが完了するまでは、何もしないで下さいね。
書き込み完了。で、次はレンズをカメラに付けて、ピントを確認しましょうか!という流れ。
なのですが、最初に「わりと簡単に」とやや中途半端な表現でこの調整をご紹介しましたのは、こういう作業の繰り返し量の多さが故。
この16領域を全て調整しようと思えば、この一連のレンズの付け外しとソフトの立ち上げと書き込みを最低16回繰り返さねばなりません。
たぶん「あーでもない・こーでもない、じゃあここ」というのが標準的な作業手順でしょうから、ある程度真面目に調整しようと思えば、少なく見ても40~50回位は覚悟は必要でしょうか。
しかしもって、これをやり込めば、かなりマニアックな個性的レンズが仕上がることになるのでしょうから、是非頑張って下さい。
次は「Sports」ラインだけの特典、「カスタマイズの中のカスタムモード」設定について
カスタムモードスイッチを搭載しているレンズに対しては、このソフトで様々な動作仕様のカスタマイズを行うことができます。
「C1」「C2」ふたつのポジションに、好みの状態に調整した動作仕様を登録する事ができるようになっています。レンズ側にあるカスタムモードスイッチの切り換えで、登録された仕様を簡単に呼び出すことができます。
その動作仕様を調整できる機能は、次の3つ。
- AF速度の調整
- フォーカスリミッターの調整
- OSの調整
レンズ側で対応していない機能は、ボタンの文字や説明文がグレーになり、選択することができない仕様になっています。
では、まず「AF速度の調整機能」から
速度優先
合焦点付近までの駆動速度を優先します。動き出しが速く、素早くピント合わせる事ができます
標準
製品出荷時の仕様です。駆動の速さと滑らかさをバランスよく実現
品位優先
合焦点付近での駆動の品位を優先します。滑らかな駆動により、合焦点付近での迷いを軽減
※但し、レンズによっては、選択できるモードが上記と異なる場合があります。
この部分は、実際の動画をご覧いただくのが一番かとおもいます。
という動きの差で、それぞれの特徴がとっても判りやすく見てとれます。
なかなか面白い機能でしょ。次に紹介する「フォーカスリミッター」機能を併用することで、かなり使い勝手をよくできるのではないでしょうか。
マニュアルフォーカス時代から続く「フォーカスリミッター」機能をPCでカスタマイズ
オートフォーカスの駆動範囲を任意に調整できる機能で、下の調整画面のスライダーを動かして調整します。
まず、この画面の設定は「全域」。
点線の目盛の両端にスライダーをもっていくと、撮影距離表示部分の全てが選択され、駆動範囲がオレンジ色に表示されます。
次に、左側のスライダーを動かすと、オレンジ色の駆動範囲が狭まっていきます。
この場合は、約12mから無限遠が駆動範囲となります。
反対に、右側のスライダーを左の動かすと、このように。
フォーカスの合う範囲を最短側領域に狭めることが可能です。
もちろん、両方のスライダーを動かすことも可能で、特定範囲を任意で設定可能です。
使いたくない場合は、これらの設定は「C1」もしくは「C2」に登録されるているだけので、、本体レンズ側のカスタムスイッチをOFFにすれば適用されず、レンズそのものに搭載されているフォーカスリミッターが作動します。
例えば、この120-300mmの場合でしたら、「全域:FULL」と「10m~∞」、あるいは「最短側~10m」で撮影することが可能となります。
最後に「OS:手振れ補正」の味付けの調整
もう1社の有力レンズメーカー、タムロンさんの手振れ補正レンズをのぞいていると、「びったー」と止まると言うのでしょうか、吸いつくような感じで手振れ補正が効いているのが一目でわかるのですが、これもそういう制御(味付け)をしているからだったのですね。
タムロンさんのスタッフの方々に、冗談でよく、
「御社のレンズはほんまよう止まる。手振れ補正をOFFにした時は、わざと内部で揺らしているんじゃない?(※)だから、すごく効いていると感じるのでは...」
なんて悪態をついていたのですが、それもこれもちゃんとした制御のアルゴリズムがあったわけですね。(※あくまでも、冗談ですよ。)
その辺は、この「OSの調整」のカスタマイズの説明を読んで頂ければ、ご理解できるかと思います。
設定できるモードは3種類で、その各々の味付けは以下の通りです。
ダイナミック ビュー
- 貼り付くように止まる、安定したファインダー像を提供します。カメラをしっかりと構えにくい状況でも容易に構図の確認ができます
- あらゆる被写体をファインダーに捉えやすく、撮影シーンを選らばない、オールラウンドなファインダー像を提供します。工場出荷時の設定です。
- 構図の微調整と手ブレの違いを瞬時に判断して手ブレ補正を最適に制御し、ナチュラルなファインダー像を提供します。構図変更を繰り返すような場面でも、撮影者に違和感を与えません。
この3つの味付けを読むと、両社のファインダー像の見え方の差というものは、「手ブレ補正」に対する制御姿勢の違いからだと推測できます。つまり、タムロンさんは「手振れ補正の制御量ぎりぎりまで粘って粘る」、だから、よく止まっているように感じていたわけですね。
ただ、この方式はいいとこばかりではなく、構図を微妙に変える場合にはちょっと不利に働きます。皆さん、「ガクって」ファインダー像が動いたことがありませんか?
実は、この動きは構図の微調整量が手ブレ補正の制御量の限界を超えた時に発生していて、じわじわちょっとづづ解放すればそうならないのですが、ぎりぎりまで頑張るからそうなるわけです。そのかわり、そこに至るまでは「非常にファインダー像が安定」しているわけで、どっちをとるかだけの問題だったのです。
撮影者が意図的に行う「微妙な構図の変化」とほんまの「手ブレ」とを、どういう基準で判別するかの差ということですね。
ということで、シグマさんはだいたい「中庸」な考え方だったのですが、今回はその上下、タムロンさんみたいに「ビシバシ止める」ことも出来るし、カクカクするのが嫌な人なら、少々手ブレ補正の効果を抑えるかわりに滑らかなファインダー像を提供するという、3つの選択を選択できるようにしたわけです。
いや~、これも凄い!なかなかもって面白い仕組みです。
補足:テレコンバー使用時はそれぞれ別のレンズとしてCPUに記録します
シグマ純正のテレコンバーターを装着した場合は、それぞれ別のレンズとして認識され、次のようなレンズ名称で管理されます。
事例:120-300mm F2.8 DG OS HSM の場合
- レンズ単体 120-300mm F2.8 DG OS HSM S013
- テレコン 1.4X 装着 120-300mm F2.8 DG OS HSM S013 (1.4x)
- テレコン 2X 装着 120-300mm F2.8 DG OS HSM S013 (2x)
また、ピント調整については、各々の状態でレンズのCPUに保持されますので、ピント調整はそれぞれ毎に行う必要があります。反対に、テレコンバーター使用時のデータを作成していない場合、レンズ単体で調整した値は反映されず、無調整の状態でAFが作動する仕組みとなっていますので、ご注意下さい。(もちろん、他社製テレコンバーを介することはできません)
それ以外のカスタムモードに設定できる項目は、テレコンバーターの装着の有無に関係なく、レンズ単体時の設定と同様になります
と非常に長い説明となりました、だいたいご理解いただけましたでしょうか。
個人的には「めちゃめちゃ面白い、すばらしい新製品」だと、大絶賛いたしております。
是非、ご検討いただけたらなあと思っう次第です。
ただ、フルスペックでカスタマイズできるレンズはまだ1本しかない状況なのが寂しい限りですが、シグマさんのことですからどんどん新レンズを出されるものと思われます。早晩、全てのレンズが対応できるように、是非、メーカーさん頑張って下さいね。
そうそう、皆さんご存知でした?
シグマさんは完全なる「Made in Japan」の会社、生産工場は日本にしかありません。
(除く、フォビオンセンサー)
部品レベルにおいても出来るだけ「Made in Japan」であることを追求さており、内製化に関しても非常に積極的に取り組まれいるそうです。
そして、その工場は「福島県・会津若松」にあるんですね。
シグマさんのレンズが沢山売れたら、工場の従業員の方や協力会社の方々が元気になる。そしたら、福島の地元経済が元気になる、地方税も増える!
皆さん、いっしょに応援しましょう。
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