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㊥カメラ担当係"S"です。「黄変レンズの変色度合いがましになる」って本当ですか?只今、このレンズを太陽光線に毎日さらしています!
こんなふうに黄色くなったレンズをお持ちの方がおられると思います。
この黄色いガラス玉、巷でアトムレンズと呼ばれているもので、1960年台に高屈折率と低分散を両立させるために開発された高性能ガラス「酸化トリウム入りレンズ」だそうです。
あまり気分のいい話ではないのですが、このガラスに含まれている「酸化トリウム」は放射性元素。微量ながらも放射線をだしているそうで、この放射線の影響(ブラウニング現象というらしいです)でレンズが黄色く変色しているのだそうです。
世間にはすごい方もおられ、実際にどれ位の放射線を発しているか計測された方もおられるようで、健康上どうだ、あるいは何cm離れれば問題ないとか、まあいろんなことが書かれております。私自身は、そういうことをあまり気にするタイプではないので、平気で取り扱っておりますが、十人十色、どうかご自身のご判断でお取り扱い下さい。
で、実際にどんなレンズに入っているかと言いますと、まず有名な所では、Lietz社が製造した Summicron 5cm f/2 の一部のロット。ただ、黄色く変色したズミクロンは「普通のズミクロンよりよく写る」ということで、通常より高値で取引されていることもあります。
実際に、当店のお客様でそのトリウム入りズミクロンをお持ちの方がおられるのですが、その昔、それで撮影された写真を見て驚いたことがあります。ほんま凄い写りで、世間の評価はほんまもんや!と確信させられました。(まあ、あくまでも個人的な意見で~す。)
その他の有名所は、PENTAXの標準玉や広角レンズの一部でみられます。例えば、
- Super Takumar および SMC Takumar 50mm F1.4
- Super Takumar および SMC Takumar 35mm F2
- 6X7用 SMC Takumar 105mm F2.4
さらに、これらの中の一部にはすっばらしく「黄変」した個体があり、リバーサルフィルムでは全く使えないほど「カラーバランス」に影響を与える状態まで変質しているものも見受けられます。(同じレンズ群でも程度差があるということです)
ただ、現在は「デジタルカメラ」でご使用になるケースが多く、「ホワイトバランス」を調整することで結構なんとか使える状況ですので、少々変色していても、最近は非常によく売れるようになっています。
と、ここまでは以前にこのブログでお話ししたことがあると思うのですが、ふとネットで色々と検索していましたら、なんと「この黄変が軽減する」との情報が載っているではありませんか。
そこで早速、私も実験!
修理屋さんにお願いして、黄色く変色したレンズを取り出してもらったのが上の写真。
今、手元にこのレンズ群を抜いた状態で再組み立てしたレンズがあるのですが、それは全くもって「透明」なので、この貼り合せレンズがアトムレンズということです。
じゃ、このレンズをどうするかと言いますと、数日間「太陽光」にさらします。
どうせなら反射光も利用しようということで、くちゃくちゃにしたアルミホールの上にレンズを載せてま~す。
さて、いったいどうなることやら!数日間後が楽しみ、あらためて結果をご報告します。
あっ、何のレンズかご紹介するのを忘れてました。
このレンズ、結構「黄変」してた67用SMCタクマー 105mm F2.4です。
後群の絞り側に位置するレンズだそうです。
+++中古カメラ担当係+++