進化した高画質、そして充実したタフネス性能
オリンパス Tough TG-5 防水デジタルカメラ T 《Tough》 シリーズ 新発売 !!!
2015年05月22日に発売された「オリンパス STYLUS TG-4 Tough」の後継機、
「オリンパス Tough TG-5」
が、この2017年06月23日に新発売。
このタフ系カメラは、オリンパスさんが過去から得意とされている分野で、現在もこの系統の機種は継続して開発され、販売を続けておられます。
つい直前までは、このタフ一桁系と三桁との2機種体制でしたが、現状においては1機種体制。
おそらく、高付加価値機に経営資源を集中され、他社機との市場の住み分けを明確にし、高付加価値路線での優位性を明確にされたものと思われます。
ではでは、詳しく新型タフ機「Tough TG-5」をみていきましょう~
まずは、とっても小さな箇所から。
カメラの呼び名が変わりました。
従来機は、
- オリンパス STYLUS TG-4 Tough
新製品は、
- オリンパス Tough TG-5
と、長年使われてきたコンパクトデジタルカメラの愛称「STYLUS スタイラス」の冠が無くなりました。
このスタイラスという愛称はフィルム時代のコンパクトカメラから付されていましたので、とても感慨深いものがあります。
ということで、愛称としては「STYLUS」から「Tough」へ、つまり「Tough」という言葉が1ランクアップしたということになりますね。
まずは、外観デザインから
外観デザインを、3方向から新型 Tough TG-5 を見ていきましょう。
外観デザインは従来機からの延長線上で、数値的にはほんの少し大きく、そしてほんの少し重たくなっています。
TG-4 ⇒ 重量 247g 大きさ(幅X高さX奥行き)111.5 X 65.9 X 31.2mm
TG-5 ⇒ 重量 250g 大きさ(幅X高さX奥行き)113.0 X 66.0 X 31.9mm
まとめ編:TG-4からの主な変更点
さらりと「主な変更点」を列挙してみました。
- 新型の1/2.3型の裏面照射CMOSセンサー
- 画質向上のため、画素数は約400万画素減少させ「1200万画素」
- E-M1 Mark IIと同様の最新型画像処理エンジン TruePic VIII を搭載
- 最高感度が6400から12800と1段広がる
- 連写性能が最大5コマ/秒から最大20コマ/秒に(低解像の高速連射モード廃止)
- コマンドダイヤルの新設
- フォーカスアシストの追加
- プロキャプチャーモードの追加
- 二重構造のくもり防止ガラスを搭載
- 4K動画とFHDのハイスピード動画に対応
- 環境センサー(気圧や温度計などのフィールドセンサー)搭載
- USB端子がマイクロB端子に変更
と、上記のように見た目は従来機のTG-4と同じですが、中身はとても大きく変わっています。
この変更点の中で、一番の重要な箇所は、
① 画質向上のために、画素数を1200万画素に抑えた
② 画像処理を担当するエンジンをレンズ交換式ミラーレスカメラの最高峰のE-M1 Mark II と同じものを搭載した
センサーサイズとの関係において、適切なバランスであることが重要なのが「画素数」でありまして、むやみやたらの高画素化は害悪以外のなにものでもありません。
一般的には、高画質での印刷(例えば350dpi)に必要な画素数は、1200万画素の場合、四つ切(A4よりもう少し大きな紙)ぐらいまで十二分に対応できます。
それよりも、1画素が得ることができる情報量を多くしましょうが、今回の主目的。
その効果は、画質の向上としてこの新機種の性能に反映されています。
新センサーに光を届ける光軸折り曲げ式ズームレンズによる進化①
このタフカメラを語る上で、最も重要な技術がこの「光軸折り曲げ式ズームレンズ」。
① DSAレンズ:大偏肉両面非球面レンズ ② HR/HDレンズ:高屈折率レンズ ③ 非球面レンズ
一般的には「屈曲光学系レンズ」と呼ばれており、普通のコンパクトデジカメに搭載されている「沈胴式レンズ」とは異なるレンズ構成となります。
防水や耐衝撃にとって、にょきにょき伸びるレンズユニットはとても衝撃に弱く、防水的にも扱いにくいので、そのレンズ部分をカメラ本体に中に収められるよう光学経路を通常とは全く異なる形式としたものです。
それを実現するのが ①と② との間に配置された光学プリズムで、ここで90度光が折り曲げられ、カメラ内部に横長に配置された光学系を通して、画像センサーに光を届けるシステムです。
この新レンズシステムを開発したのはミノルタさんで、当初は「薄型・小型化」を目的として作られた仕組みです。
オリンパスさんのTG-5では横長に配置されていますが、ミノルタさんの場合は、縦長に配置されています。
当時大変ご苦労なさったのが、プリズムをいかに精度高く配置するかだったそうで、片ボケさせないよう、生産技術的に大変ご苦労されたレンズユニットだそうです。
そして、この屈曲光学系レンズは、次ようなメリットをもたらすことになりました。
- カメラの厚みをとても薄くできる(当初目的)
- レンズの鏡筒の計上がスクエア型となり、カメラ内部に新たなスペースが生まれる
- 沈胴状態から使用状態へレンズが移動することがないので、起動時間が速い
- 使用時にレンズ飛び出さない
このレンズを、横から上から下から透かして見ますと、なんとなくこの「プリズム」が奥に配置されているのが分かります。
皆さま、この三角のプリズムを覚えておられます?
小学校で習った「プリズム」ですね。
ただ、小学校で習ったプリズムは「スペクトル」を生む「分散」ですが、ここで使われているプリズムは一眼レフカメラのファインダーと同じく内部での全反射を利用して、光の進む向きを変えるプリズムです。
おっと、大変懐かしいことを思わず思い出しました(笑)
いずれにしましても、光を90度折り曲げるという通常では不要な一光路を介しながら、画質を確保しなければなりません。
これは大変な事でありまして、当然そこで画質劣化がおきるので、どう埋め合わせするのか、その点において光学技術者の皆さんの戦いでもあったわけです。
搭載されているレンズは、
OLYMPUS LENS 4x WIDE OPTICAL ZOOM 4.5-18.0mm F2.0-4.9
35mm判換算で、25-100mmのズームレンズとなります。
スマフォとデジタルカメラとがよく比較されますが、このズーム機能とレンズの明るさ、さらには手振れ補正、ここは全くもって違う領域で、比較論的に言うなら、圧倒的なアドバンテージです。
新イメージセンサーと新画像処理エンジンによる進化②
F2.0高性能レンズの実力を最大限に引き出すために、高速かつ高感度性能に優れた新開発のHi-speed裏面照射型CMOSイメージセンサーと、フラッグシップモデルOM-D E-M1 Mark IIと同じ画像処理エンジンTruePic VIIIが搭載されています。
常用感度での撮影時はもちろん、薄暗いシーンでもノイズレベルをISO感度1段分改善。さらなる高画質化を図られています。
実際の写りは、是非、以下のお写ん歩のレビューをご覧になって下さい。
オリンパス OLYMPUS Tough TG-5 を使ってみました / 奈良県東吉野村 足ノ郷峠・川上村 御船の滝の小紫陽花
(https://www.yaotomi.co.jp/blog/walk/2017/06/-olympus-tough-tg-5.html)
ね!コンパクトデジタルカメラで、こんなにも背景をぼかすことができます。
これは、やはり明るいレンズを搭載している、そして近いところにもピントを合わせることができるカメラだからこそ!であり、さらにアルゴリズムの見直しで解像感が高くなる画像処理の賜物でありまして、正直な所、コンデジでありながらコンデジ画質ではない、素晴らしい仕上がりになっていると思います。
さらに、このブログ記事の最後に、いつもの定点撮影場所からの
① 焦点距離別のフルデータ画像
② 感度別のフルデータ画像
③ 焦点距離毎の絞り別のフルデータ画像
を掲載しておりますので、合わせてご覧ください。
操作面のでの進化③
コントロールダイヤルを新たに搭載され、カメラの各種設定がとてもやりやすくなりました。
従来の通りの十字ボタンでの設定に加えて、このダイヤルでも設定できます。
「P・C1・C2」時には、露出補正ダイヤル。「A」時には、絞り設定ダイヤル、「iAUTO」時には未作動、その他のモード時にはそれぞれの作動モードを設定することができます。
グローブ使用時に、特に役立つ新ダイヤルです。
そして、このコマンドダイヤルが搭載されたことで、左右可倒式のズームレバーが廃止され、シャッターボタン回りに新たに配置されました。
このレバーの操作性もグローブ使用時を想定して設計されていますので、やや大きめのノブとなっています。
このグリップ部も、従来機のTG-4と比較すると、少し分厚くなっています。
ホールディング性能の向上を目的とした仕様変更となっています。
そして、このアクセサリーロックボタン。
これは、従来機のTG-4のお客様から寄せられた声をもとに、改善された部分です。
各種のアクセサリーが不用意に外れることを防ぐためで、これで安心して持ち運びができるようになりました。