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㊥カメラ担当係"S"です。リコー(ペンタックス)からレンズロードマップに記載されていたズームレンズ
HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WRが新発売されます
20-40mm という焦点距離を聞くと、「懐かしいね」と思ってしまうところが中古カメラ担当の性なんですが、わざとそういう焦点距離にされたんちゃうか?!って勘ぐってしまいたくもなるところ。
そう、下のペンタックス AUTO110 の交換レンズの一つと同じ焦点距離なんです。
なんだかもう「ペンタらしい」を通り越えてるような気もするのですが、まあ、そういうこだわりもいいじゃないでしょうか、と言いながら全く関係ないかもしれません......。(笑)
いずれにしまして、何年ぶり(数十年ぶり)の2倍ズーム。
フルサイズ換算で、30-60mm(*) F2.8-4。なんともクラシカルな焦点距離ですね。
35-70mmでもなければ、28-70mmでもない、でも昔の感覚でいうと、2倍ズームだから無理してない、だからよーく写るんじゃない、そんな期待感。しかも、ちょっと広角気味からはじまるところが、興味深々。
そんな第一印象です。
(* 正確には、30.5-61.5mm)
とは言え、実はこれ、約束されていた商品。
ちゃんと、ロードマップに記載されていたもので、ペンタックスさんのホームページには、次のような「ラインナップ&ロードマップ」が掲載されているのですが、今回発表されたレンズは下の図表の「赤線」で囲んだもの。
まずは新生ペンタックスの第一段として、今回「HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR」レンズとして正式に発表されました。
蛇足ですが、これでこのロードマップの読み方が少しわかりました。(あくまでも推測ですよ)
素直に読めば、次は ※焦点距離はアバウトに読み解いています。
① HD PENTAX-DA 100-400mm
② HD PENTAX-DA 10-30mm
③ HD PENTAX-DA 15-85mm
の順番で出てくる。その途中で、数年来の持ち越し課題「1.4xのリアコンバー」が出てくる。
というような感じに読み解けばよいのでしょうかね、ペンタックスさん。
さて、話を本題に戻して、今回発売されるレンズ色は2種類。
他の HD DA Limited レンズと同じく、白と黒。
では、早速、その実機をご紹介しましょう。
まずは、シルバー。今回は、画像クリックで別ウインドウで少し拡大してご覧頂けるようにしました。(質感を少しでも感じて頂きたかったので)
そして、ブラック。
質感は、他の HD Limited レンズと同じで、非常に高いですね。
特に、このズームリングのローレットは、ライカの Summicron 50mm F2 後期型のピントリングに施されているローレットの雰囲気が漂っている感がします。と思っていたのですが、"K"君のお写ん歩での「SMCタクマー」ってな指摘を見て、俄然そっち。うん、そうなんですね、あきらかにSMCタクマーの後期のローレットの雰囲気です。
このレンズの特徴を、メーカーさんは次のように表現しています。
描写や質感にこだわった「リミテッドレンズ」
当社の「リミテッドレンズ」シリーズの設計コンセプトを踏襲し、ズーム全域で非点収差を抑え、立体描写を優先した光学設計を採用しています。
また、開放では柔らかく、絞るにつれてシャープさを増す描写特性をもたせることで、被写体に合わせた描写表現を可能しています。
さらに、レンズ鏡筒、フード、キャップには高級感のあるアルミ削り出しの素材を採用、また、レンズ中央部に位置するズームリングのローレットには専用パターンのデザインを施すことで、質感の向上とともに撮影中のズーム操作のしやすさにも配慮しています。
ということです。
以下、追記です。(どうご説明すればよいか、うまく頭が整理できていなかったので)
あえて、説明に赤線を引いています。
たぶん、多くの方が「えっ、」と感じられたと思いますが、私もその一人。
レンズって、
「そりゃ、開放で柔らかく、絞るとよー写るもんじゃ」
「ペンタさん、何当たり前の事を書いているの?」
と、ある意味、当惑していたのですが、
いい(わかりやすい)説明をセールスさんから教えてもらいました。
「シャープ」という部分を、「硬い」に変えて下さい、とのこと。
「開放では柔らかく、絞るにつれ硬さを増す描写特性」
どうです?
最初の表現より、なんとなくですが、メーカーさんのこのレンズに対する設計意図が伝わってきませんか。私は、結構、この一言でこのレンズの特性を少し理解することができました。
実写でレンズの味を感じるのが一番わかりやすいのですが、とは言え、「どんな思いで作られたのか」、言葉でも理解したいのが人情。どういう思いなのか理解して、その上で実写を見た方が「共感」ってなものが生まれるので、言葉遊びでなく、こういう一文をどう読むかはとても重要だと、私は思っています。
いずれにしましても、レンズの描写を表現する時に使う「柔らかい」とは、決して「あまい写り」=「解像していない」という意味ではありません。また、「シャープ」に写るレンズが、決して「良い」写りをするレンズというわけでもありません。
また、このレンズでの「柔らかさ」とは、ソフトフォーカスレンズのような「トロトロの柔らかさ」を意味するものでもなく、あくまでも「シャープ」な解像感のある描写に対する、「柔らかさ」で、ボケて見えるという事でもありません。
ということで、再整理しますと、
「最新のレンズらしくきちんと高精細に解像しながらも、開放の描写は柔らかで、カリカリにシャープにならない = Limited Lens らしく描写に味をもたせている」
というコンセプトのレンズだということです。
かなり刺激的にいうなら、キットレンズのように、開放からカリカリに写る、ある意味、万人受けするような「大衆レンズ=個性的でないレンズ」(ちょっと言いすぎですが......)ではなく、基本は「柔らかさ」を求める方に向けて開発したレンズ=Limited Lens というわけです。
ただ、硬さも必要という場合には、絞ってねということで、「硬軟」使い分けができるレンズとなっている、という感じです。
少し、ご理解いただけましたか。
あとは、メーカーの作例などをご覧になられて、是非、このレンズの「味」を感じて頂ければと思います。
(追記終わり)
※ ご質問のあったサンプル写真、発売日までにメーカーHPに掲載されるそうです。
(今日、メーカーに確認しました)
では、さらに外観を見ていきましょう。
シルバーのマウント部分から。赤色のシーリングゴムは、やっぱり目立ちますね。
実は、そうなんです。Limited レンズでは、初めて防滴構造が採用されました。シーリングを7 箇所に施し、レンズ内部に水滴が入りにくい防滴構造となっています。同じくブラック。
そして、一番先端のレンズ銘が刻印されている部分が、レンズフード。
フードをはずすと、前玉はこんな感じ。レンズ前玉には、汚れに強いSP(Super Protect)コーティングが施されています。
そこで、ちょっとびっくらこいだのが「フィルター径」、なんとペンタックスではお初の55mmです。
じゃあ、このレンズの大きさはどれくらいなんだろう?
フィルター径が55mm径というのミソなのですが、「小さいの、大きいの」どっちだと思います。
次ページでその答えがわかるのですが、私にとっては意外中の意外。