PENTAX 17 BOKEH・絞り開放優先
いつもお世話になっています、八百富写真機店 高槻駅前店 店長Kです。(2024年7月10日撮影)
藤原宮跡の蓮畑、今季も綺麗に咲き始めました
平日はカメラマンもちょっと少な目、静かな時間を"フィルムカメラ"で撮らえてみます
PENTAX 17 ※現在納期未定のため受注を停止しています
https://www.yaotomi.co.jp/products/detail/44446
ペンタックスの名称で新製品の発表とくれば、ユーザーの皆さんはにわかにざわめくと思います
そして世に送り出された新型機はフィルムカメラでした
先ず言っておかなければならないのは「マニュアルフォーカス」であるという事です
シャッターボタンを半押ししてピントを合わせ、全押しでシャッターを切る「オートフォーカス」ではありません
かっちょいいデジカメみたいな外観なのでそう思うかも知れませんがM.F.です
「不便だなぁ」と思うのは今どき正直な反応ですが、被写体と向かい合う大切な時間が増えると思っていただきたいのです
実際使ってみると「不便だなぁ」って思う事は全くありません(解かっていて購入されると思いますが)
フィルムにはいろんなサイズのフォーマットがありますが、PENTAX 17は"ハーフサイズフォーマット"です
デジタルカメラではフルサイズと言われている35mm判フィルム(36×24mm)の1コマを半分にしたのがハーフサイズフォーマット(17×24mm)
横のコマを縦に半分こするから普通に構えて撮ると縦写真になるのですね
ファインダーを覗いても縦なのですが、当然カメラを縦に構えたら横写真が撮れるという寸法です
既にお気づきでしょうけどこのハーフサイズフォーマットの短い側「17mm」がカメラの名称「イチナナ」になりました
とにかく半分こにして撮る訳ですから撮影枚数は2倍になり、今回装填した24枚撮りフィルムなら48枚も撮れちゃうのです
とりあえずザクっと外観を動画でまとめてみました
先ずは上から眺めてみます
かっこいい、かっこ良すぎ!
長くカメラをされている方なら分かってもらえるでしょうか
まず気になるのがレンズの上らへん、何とも可愛らしい"絵"が並んでいますがこれは飾りではありません
フィルムカメラを使ったことが何度もあるような写真家さんなら「じわぁっ」とくるものがあるかと思います
一番端は「花」、その反対端は奈良にある二上山のような「山」ですね
これらアイコンは近接から望遠を表現していますが、レンズはズームができない単焦点の25㎜(35ミリ判換算37mm相当)です
広く撮るなら自分が後ろへ下がり、遠くのものを大きく撮るなら自分が近づくという「単焦点レンズ」ならでは
それぞれのアイコンには凡そ距離が決まっており、フォーカスリングの下側にはアイコンと比例した距離数値が刻んであります
シビアな距離をお求めの方に優しい指標、メートルとフィートの両方が刻んであるので見間違えにご注意ください
自分は何度か見間違えてしまい、いくつかピントの外れた写真を撮ってしまいました
←こんな画とか良いところだったのに痛恨のミス、「エエのん撮れたー」とほくそ笑んでいた自分が恥ずかしい
老眼鏡必須な遠視者にはちょっと厳しい目測とフォントの大きさ、やはりアイコンと距離を頭の中ですぐに呼び出せるようになりたいですね
「数字はとっさに視たとき間違えるかも.....」という心配性な方には、マスキングテープでフィート側を隠しておくのもアリだということにしておきましょう
モードダイヤルに「AUTO」がありますが、何度も言いますようにオートフォーカスではありません
ピントの合う範囲(被写界深度)が広くなって前後のピント暈けることが少なくなる「AUTO」、フラッシュ発光もカメラが判断してくれます
ただし「フラッシュは光らせたくない」時は「AUTO」をやめて、ダイヤル白枠内のどれかに変更いたしましょう
個人的に気に入ったモードが「BOKEH」でして、ハーフサイズのF/3.5でも暈ける(被写界深度の浅い)写真が撮れるのは素晴らしいこと
盛大に暈ける訳ではないのですが、まぁまぁ暈けるだけでも嬉しいです
「P」は「AUTO」と違ってゾーンフォーカスを設定する必要がありますが、シビアにパキっとパンフォーカスしたいならこの「P」がオススメです
「月」モードは低速シャッター、フラッシュは光らず早朝や夕刻の雰囲気良いときに使うと良いようです
カメラをしっかり構える必要があるので、脇を締めてしっかり構える必要があります
何と言っても"手振れ補正機能"なんて便利なものは付いていませんので、それこそ三脚があったほうが良いかも知れませんね
「B(バルブ)」の搭載はちょっと珍しいのですが、気軽に使えないところは「シャッター開放の長時間露光」になるから
工夫次第にはなりますが、基本的に手持ちでは使えないモードなのでケーブルスイッチ(CS-205)が必要となります
(わざとブラした写真を撮るなら話は別です)
黄色い枠は「必ずフラッシュ光る」ゾーン、黄色の「P+イナズマ」は日中し自動で露出を判断しますがフラッシュが必ず発光します
逆光などに向いていますが、ピックアップしたい被写体があるときにも使えそう
「月+イナズマ」は低速シンクロモード、夜景イルミネーションが綺麗なところで手前に立つ人物などを明るく撮りたいときにぜひ
裏側、もちろん液晶モニターはございません
巻き上げレバーを上へ軽く引き上げれば、背面の蓋が"ぱかん"と開きます
そうです、ここはフィルムを装填する部屋という訳です
先ほど液晶モニターは無いと申し上げましたが、「じゃぁ四角い枠は何なんだ??」ってことになる.....かも知れませんね
ここにはフィルムパッケージを切り抜いたものを挟んでおく「メモホルダー」なのです
フィルムのモノによってはさりげなく自慢できる要素であったり、「あ、○○入れてんやー!」とコミュニケーションに繋がるネタにもなるメモホルダー
フィルムを装填したらあとは巻き上げるだけ
動画では最初巻き上げるときにレンズキャップを装着していませんでしたが、カウンター「0」から順序良く撮ることが基本なのでせめて手で塞いで空打ちするなどしてみてください
「何でも良いから撮れていても良いか」と思うならそれに限らず、0の前でもまぁまぁ撮れているのでそこはそれとなく楽しんでください
あとは巻き戻しクランクを軽るぅ~く回し、フィルムのたわみを取れば撮影の準備完了です
「ちゃんと巻けてるかなぁ」⇒心配になりますよね、シャッターを切って巻き上げる度に巻き戻しクランクが比例して回ればちゃんと巻き上がっているので大丈夫
回っていなければもう一度フィルムをセットし直すだけの事なので深刻にならないでください
問題は空転気付かずに最後まで撮影してしまった(つもり)とき、「あれまー、まだ巻けるー???」という寂しい時間が訪れることになります
途中で裏蓋をパカンと開けるのもあきませんよー
では撮った写真をつらつらっと並べてみましたのでご覧くださいませ
アップした画像は全てサムネイルです。
マウスポインターを重ね、 ポインタ(カーソル)に変われば、クリックで拡大画像を見ることができます。
PENTAX 17 低速シンクロ
その前の夜、高槻界隈を歩いてみました
自分はビビりなので、軽量コンパクトな三脚を使っています
おかげで全くブレの無い写真が撮れましたし、走り過ぎたバイクは写っていません
スマートフォン撮影
歩いているうちに店舗前戻ってしまう帰巣本能
とりあえずカメラ外観の記念撮影をしておこう.....な1枚
雲台がとんでもなく大きく見えます
PENTAX 17 B・バルブ
ピントをどこへ合わせたのか気になって撮り直ししようかとも思いました
いやいや、ひょっとしたら偶然にもおもしろい長時間露光になったかも.....な1枚です
あぁ、暈け暈けやんか
どう考えても「遠距離」「中距離」だったろうに、きっと至近距離でしょうね
PENTAX 17 低速シンクロ
もう百日紅が満開に近かった高槻駅前
白い百日紅は赤い百日紅に比べちょっと早く見頃を迎えます
フラッシュが無いと花は真っ暗なはず、いわゆる逆光のようなシーンなので低速シンクロです
PENTAX 17 低速シンクロ
これは露出補正ダイヤルでプラス1くらいでしょうか
そこにフラッシュがギリギリ届くくらいの街路樹、雲の雰囲気とか何となくデジカメで撮ったような感じです
バルブで撮ろうかと思ったのですが、お客さんにも声かけらそうなたくさんの人通りがある陸橋からの撮影
3枚撮ってそそくさと移動しました
左は低速シャッター、右は低速シンクロ
もう少しアンダーで撮っていれば.....な左の低速シャッター、ぜったい雰囲気良く撮れたはずなんです
でも良いのです、そんなのはデジタルカメラ使うときの戯言ですね
フィルム装填直後の空打ちで
フルオートだとこの距離で暈けてしまうのですね
1mくらいだったと思うのですが.....
フラッシュは自動発光、外はまだ明るかったはずなのですが暗くなりました
では、あくる日
早朝日の出前の奈良橿原"藤原宮跡"からスタート
左は「BOKEH 絞り開放優先」、右は「P 標準」
どちらもゾーンフォーカスは1.7mです
BOKHEはとても綺麗に暈けましたし、Pでもなかなか好い感じです
個人的に思うのですが、後ろ暈けを生かすには設定した距離よりもちょっと前に在るのが良いみたいです
と言いますのもゾーンフォーカスでのメートル指標1.7m設定は、"人が2人並んだアイコン"1.4m~2.2mの「近距離」のこと
被写体のポイント(今回は蓮の花)が1.4m~2.2m間にあれば良いのですから、1.7mをきちんと守らなくても良いのです
ハーフフォーマットならではの被写界深度は深め、緩い撮影で楽しめるという事です
おふさ観音さんでパチリパチリと撮り試してみます
AUTOって便利というか、気楽に撮れて楽しさがぐんぐん増す感じ
こんなとき露出補正を「+プラス」側へ回せば良かったのに.....
日中シンクロを使っても良いのですが、向こうのほうまでまんべんなく光が回らないかも知れないので露出補正がオススメ
ちょっと暈けているのはP+至近距離だから、近距離にしておけばよかった.....1枚
これは「P 日中シンクロ」で撮影
太陽バックですがハレーションやゴーストもほとんど見えず
レンズの明るさがF/3.5なのでまぁまぁ標準的なところです
加えてマルチコーティング「HDコーティング」にレンズ構成が3群3枚とくれば写りに期待もできましょう
ゾーンフォーカスは1.2m、逆光ですからフラッシュ発光の効果がバッチリ出ています
結構絞り込まれているようで、良い意味でとてもパンフォーカス
PENTAX 17 上は「P 標準」、下は「AUTO フルオート」
Pのゾーンフォーカスは「∞ 無限」に設定、AUTOフルオートなのでカメラ任せです
このくらいの距離感ならパンフォーカスで暈けも気にすることなく撮れるようです
PENTAX 17 上は「P 標準」、下は「BOKEH 絞り開放優先」
どちらもゾーンフォーカスは1.2m、背景はどちらも似た具合で暈けています
PENTAX 17 左は「AUTO フルオート」、右は「P 標準」、
右の「P 標準」はゾーンフォーカス1.2mですが、ピントを合わせた松の葉は艶っとシャープ
奥は綺麗に暈けていますが、個人的にはゾーンフォーカスを設定する「P 標準」が好みかも知れません
PENTAX 17 左は「P 標準」、右は「BOKHE 絞り開放優先」
どちらも3.0mくらいですが、下の植え込みを見ると「BOKEH」がやや被写界深度浅めです
このくらいの距離だと「BOKEH 」を生かすのはちょっと難しいのかも知れません
PENTAX 17 上は「AUTO フルオート」、下は「P 標準」
Pのゾーンフォーカスは1.7mですが、これもパンフォーカスですね
このくらいだと違いは判らないので、カメラ任せのフルオートでも良さそうです
しかし右下がりの癖が盛大に出てますなぁ
デジタルカメラの時も水準器が傾いているので、何となく戻す傾向.....
「BOKHE 絞り開放優先」で撮影したのです
ゾーンフォーカスの設定を微妙に間違えた結果ですね
「BOKEH 絞り開放優先」はちょっとした距離の違いはしっかり写ってしまいます
被写界深度の浅い写真を楽しむときはちょっと気を付けましょう
比較撮影が中心となってしまい、何となくいつもの更新ではないような.....そんな締めくくりになりました
それはさておき、PENTAX 17の使用感は「安心してフィルムを楽しむことができる」という事です
購入したフィルムの特徴を楽しむにはもってこいのカメラ、いきなり使い始めたのに失敗が少なかったのは正直驚きました
とにかく明るい時間帯では好く写るので、購入されたあとの満足感は非常に高いと思います
おもしろい失敗がほとんど無かったのはちょっと残念です
そして撮影終えられたフィルムは近所のプリント屋さんでプリントしてみてください
もちろん八百富写真機店は全店で現像とプリント+データ化の受付が可能です
プリント費用が気になるかも知れませんが、プリントで観る自分の写真は感動しますよー
さて、おふさ観音さんで風鈴撮影したあと、奈良の中部を蓮の花探し求めさ迷っていました
お昼どきに五條へ向かいましたので.....
やはり「豚珍館」さんになります(スマートフォン撮影)
相も変わらず"ちゃんぽん"のセットですが、何と横に広かった丼が深底な丼へと変わっていました
ボリュウムとしてはちょっと増えたような気もしましたが、きっと嵩が上がったからでしょう
ちょっと不思議に思うのが訪れる度に美味しさが増している気がする豚珍館さん特有の感覚
美味いんですよねー、真夏に汗をかきながらいただくあんかけ熱々ちゃんぽん、冷麺なんて眼中になくこれ一択です
地元の方曰く他のメニューも"走破する価値があるほど全部美味い"のだそうですが、そんなしょっちゅう利用できないのでたまに食べるなら一番のお気に入りを.....となってしまうのです
冷房効いていますが、汗がプーッと噴き出ます
平日でも混むようになってしまい、帰るときには駐車場も満車で外に待ちができていました
スープが無くなれば営業終了となりますのでご注意を
ごちそうさまでした
PENTAX 17 ※現在納期未定のため受注を停止しています
https://www.yaotomi.co.jp/products/detail/44446
今日も お写ん歩ブログ にお付き合いいただき、ありがとうございました。